移民法Q&A
会社設立のために日米を頻繁に往復するためのビザは?
私は日本で自動車部品販売の会社を経営しています。今まで2カ月に1度程度アメリカに来て、日本で販売する自動車部品の買い付けのための契約を行っていました。最近、日本での需要が多くなってきたため、アメリカに支社を作り、長期滞在しようと考え、その準備のためにビザウェイバーで渡航を繰り返していました。会社の場所等を決めるのに時間を要し、つい先回、入国の際に止められ、事情を話したところ、次回からビザを取得するか、半年以上、間を置くように言われました。Lビザを取得するつもりでいますが、次回の入国予定日までには到底間に合いません。かといって、半年間も間を置くとビジネスに支障を来たします。どうすれば良いでしょうか?
まず、L-1を申請するには、アメリカにて会社が設立されているだけでなく、会社が営業を行うのに十分な準備がなされている必要があります。例えば、アメリカの会社の賃貸借契約書や、銀行口座の書類、会社の写真等を提出する必要があります。
あなたのようなビザウェイバーでの入国は、基本的には観光目的のほか、米国にて給与を得ないことを条件として短期の商用に用いることもできますが、米国で雇用されていない場合であっても、特に頻繁に入国する場合には適していません。
従ってあなたの場合、L-1ビザを取得するまでの間、B-1(短期商用)ビザを取得して、アメリカへの出入国を行うことをおすすめします。
L-1ビザ取得には、移民局の認可を得た後、日本のアメリカ大使館・領事館にてビザを取得する必要がある(従って取得にある程度の時間を要します)のに対し、B-1ビザは移民局の認可なしで、直接、日本のアメリカ大使館・領事館にて申請することができます。
B-1ビザで、米国内において雇用関係に基づく就労に従事することは禁じられていますが、商談、契約を結ぶこと、また、商品の買い付け、市場調査、コンファレンスへの参加、訴訟手続き等を行うことができます。
B-1ビザ取得の条件としては、(1)申請者が米国内で一定の限られた期間のみ滞在すること、(2)滞在期間終了後、米国を離れる意志があること、(3)米国滞在期間中、母国での居住地を維持し、それを放棄する意志のないこと、(4)米国への旅費、滞在費、および、母国への帰国のための費用が十分に準備されていること、(5)米国内で該当事業に合理的に関連した活動のみを行うこと、が挙げられます。
ビザウェイバーと異なり
米国内でのステータス変更可
あなたの場合、まず日本に会社があり、現在までアメリカとの取引を行い、相当額の営業活動を行っていたことの証明が必要です。これには日本の会社の定款、賃貸借契約書(自社ビルならば登記)、銀行の残高証明書、アメリカとの取引を示すインボイス、シッピングドキュメント等がそれに当たります。また、アメリカの取引先からインビテーションレターなどをもらうのも得策であると言えます。これに加えて、アメリカでの簡単な事業計画を含めた手紙を添える必要があります。
B-1ビザは、一般的には5年間(例外あり)のビザが発行されますが、1回の入国に対して6カ月(場合によっては3カ月)までの滞在資格が与えられるのが通常です。B-1ビザは米国での長期滞在には適しておらず、少なくとも1年の半分以上は、米国外に滞在する必要があります。
また、ビザウェイバーが延長やステータスの変更ができないのに対して、B-1ビザの場合は、米国内においてそれらが可能です。例えば、あなたの場合、L-1ビザを申請するのに十分な準備が完了した場合、米国内にてB-1からL-1のステータスに変更申請を行うことも可能です。
すなわち、B-1のステータスが切れるまでにL-1申請を行えば、B-1のステータスが切れた後も、日本に帰ることなく、アメリカに滞在しながら仕事を続けることができるわけです。
さらに、あなたの場合、L-1ビザを取得したとしても、新設の会社(登記してから1年以内)の場合は、1年間しかL-1の有効期間が与えられない場合がほとんどですので、その後、日米間にて貿易を行っていることを証明することによって、E-1ビザ(5年間有効)への切り替えを考えるのも得策であると言えます。
(2008年6月16日号掲載)


