アメリカ・ロサンゼルスでの運転

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ロサンゼルスのフリーウェイ

ロサンゼルス・ダウンタウンとフリーウェイ

車社会のアメリカでは「移動は自動車」が基本です。都会のイメージがあるアメリカ・ロサンゼルスも同様で、電車やバスなどの公共交通機関も一応ありますが、ロサンゼルス全域をカバーするほどは発達していないので、やはり車を使って移動、観光したほうが行動範囲もぐっと広がって便利です。
 
よし、ではレンタカーを借りて運転しよう!と思っても、「左ハンドル」「右側通行」などアメリカならではの交通・運転ルールが…。慣れてさえしまえばそれほど難しくはありませんが、どれだけ日本で運転の経験があるとしても、交通ルールや習慣が異なるアメリカでは注意が必要。アメリカ、あるいはロサンゼルスを訪れる前に、日本とアメリカの運転事情の違いについて学んでおきましょう。事前に知っておくだけでも運転が断然楽になりますよ。ちなみにハンドルは和製英語、アメリカでは「wheel(ウイール)」と言います。こんなところにも違いがあるのです。

※このページは2023年1月時点の情報で更新しています。

アメリカと日本の交通ルールの違い・注意点

1. 右側通行

アメリカの車は左ハンドルの右側通行。「慣れれば大丈夫」という人でも、駐車場から広い道に出る時や、周りに車が走っていない時など、ふとした瞬間に忘れてしまうことが多いので気をつけて。また、フリーウェイでは遅い車が右車線を走ります。

2. 赤信号での右折

アメリカでは一部の地域を除いて、赤信号の場合でも右折が可能とされています。必ず信号の手前で一時停止をして、車や歩行者が来ていないかの安全確認をすることは必要ですが、特に朝夕の交通量が多い時間帯は、このルールのおかげでスムーズに車が流れていて便利です。もし、交通量が多くて右折のタイミングがわからない時は無理に右折しなくてもOK。赤でも絶対に右折しなければいけないというルールではありません。また、交差点に”NO TURN ON RED”という標識がある時は、赤信号時の右折は禁止されていますのでご注意を。

3. 左折専用車線

アメリカには、場所によっては、左折専用車線という便利な車線があります。道の真ん中にある、黄色の実線と点線の囲まれた中央分離帯のような車線です。例えば、日本では右折する車が止まっていることで、後続車が渋滞してしまう光景をよく見かけるかと思いますが、アメリカでは左折をするタイミングで、この車線に侵入し、対向車線の車がいなくなるのを待つことができます。この車線のおかげで後続車が連なることがなくなるので気を遣う必要もなし。ただし、対向車線から左折をしたい車も、同時にこの車線を使うので、注意して車線に進入する必要があります。ちなみに、信号に「NO U TURN」と書いてある場合は、Uターン禁止です。

4. ストップサイン(All Way StopとTwo Way Stop)

住宅街など、信号のない交差点で見かける”All Way Stop”と”Two Way Stop”という標識と停止線。意外とアメリカには多いので気をつける必要があります。そうしたストップサインがある場所では、全ての車が一時停止をしなくてはいけません。そして、”All Way Stop”の場合は、停止した順番に交差点内に進入します。自分が何番目に停止したのか、あらかじめ把握しておく必要があります。もし同じタイミングで停止した場合は、自分から見て右側にある車に優先権があります。”Two Way Stop”の場合は、自分と対向車線にだけストップサインがあるので、左右から来る車に交差点内に入る優先権があります。どの車が自分より先に交差点に入って止まっていたか、注意して見ておくようにしましょう。

5. 踏み切り

日本の運転ルールでは、踏み切りに進入する際は必ず一旦停止をしなければいけませんが、アメリカではバスやトラックなどの大型車両以外は一時停止は不要。アメリカで初めて運転をして、踏み切り前で一旦停止をしようとしたら後続車に追突されてしまった、といった事故も意外と多いので気に留めて、注意したいところです。

6. カープール・レーン (Carpool Lane)

ロサンゼルス近郊も含め、主要なフリーウェイにはカープール・レーン(Carpool Lane)と呼ばれる、渋滞を緩和するための専用レーンが左端に設けられています。カープール・レーンを使えるのは、2人以上が同乗する自動車、オートバイ、バス、また許可証を得ている特定のエコカーだけ。それだけアメリカでは1人で車に乗っているケースが多いのです。目印は標識もしくは道路に記された菱形のマーク(◇)。一部ではHOV(High Occupancy Vehicle)と標識されている場合もあります。1人で運転している車がこのカープール・レーンを走ると、高額な罰金が課せられますので注意が必要です。

7. エクスプレス・レーン (Express Lanes)

フリーウェイ110号線と、10号線の一部に設置されているエクスプレス・レーン、通称「FasTrak」。渋滞緩和のために導入されているもので、交通状況や乗車人数によって、通行量が変わるシステムです。通常のカープール・レーン同様に見えますが、このエクスプレス・レーンを使えるのは専用の支払いシステムを搭載した車のみ。それ以外の車が2人以上が乗っているからと、うっかり走ってしまうとこちらも高額な罰金が課せられてしまうため注意が必要。

8. トールロード (Toll Road)

フリーウェイを走っていると突如現れるのがトールロード(Toll Road)。有料道路のことを指し、例えば、ロサンゼルスからサンディエゴの行き方をカーナビで調べると「CA-73」というトールロードが最短ルートとして検索されます。入る前に料金を支払う必要があるのですが、落とし穴は、トールロードはたいていフリーウェイとつながっており、料金所が道の途中で現れ、気づかないで通りすぎてしまうことが多い点。これはしっかりカメラに収められており、後ほどレンタカー会社を通して罰金の請求が来ます。不安な方は検索の際に、トールロードを避けるルートをあらかじめ選択するのが無難でしょう。

9. 駐車

①路上駐車
住宅地などでは路上駐車をすることが多いですが、縁石の色に気をつけて。赤は駐車禁止、白は人の乗り降り、郵便物を出したりする短時間の停車、緑は時間制限あり、黄色は荷物の積み下ろしのみ、青は障害者専用となっています。また、色がついていない縁石でも消火栓がある場合は駐車禁止です。
 
②パーキングメーター
路上の有料駐車スペース。短時間の場合は利用しやすいですが、時間超過した場合には罰金を取られるので、余裕を持ってコインを入れましょう。コインはクォーター(25セント硬貨)の他、ダイム(10セント硬貨)、ニッケル(5セント硬貨)が使えるものも。最近はクレジットカードを使えるパーキングメーターが増えてきましたが、コインしか使えないものも。あらかじめ、クォーターをたくさん持って出かけると良いでしょう。夜6時以降など、時間帯によってコインを入れなくていい場合もあります。
 
③障害者専用スペース
駐車場には、青い車椅子のマークのついたスペースがあるが、ここは車椅子マークのプレートをつけた車だけが駐車できます。間違ってここに停めると高額な罰金を取られるので注意しましょう。

10. 坂道駐車

アメリカでは坂道に駐車をする場合、縁石の有無に合わせて、ハンドルの向きを変える必要があります。これは、サイドブレーキが故障して車が勝手に動き出した際に、被害を最小限にするためのルールです。坂道に駐車しているにもかかわらずハンドルの向きが変わっていないと罰金が発生しますのでご注意ください!
 
◎縁石が有る場合:
下り坂に駐車する場合は、ハンドルを右に切ってタイヤの方向を右に向けてからエンジンを切りましょう。車が勝手に動き出しても、直ぐに前輪のタイヤが縁石にぶつかって止まります。また、登り坂で駐車する場合は、ハンドルを左に切ります。車がも後ろへ下り始めたとしても、直ぐに前輪が縁石に当たって止まるようにするためです。
 
◎縁石が無い場合:
山道などを運転していると縁石が無い場所もあるかと思います。この場合は、登り坂でも下り坂でも、ハンドルは右に切ります。こうすることで、ブレーキが故障した場合いずれも路肩の外側に向かって動くので、他の車の通行を妨げずに済みます。

11. 緊急車両への対処

救急車やパトカーが緊急を知らせるサイレンを鳴らしながら近づいてきたら、車を路肩などに寄せて一時停止し、緊急車両が通り過ぎるのを待ちます。その後の発進は後ろから来る車に気をつけて。

12. 盗難防止

ロサンゼルスでは、車上荒らしを未然に防ぐために、貴重品は車内に残さずトランクにしまうのが常識です。パソコンや携帯電話、カーナビなどを置いていたら窓を割られて盗まれていた、なんていうケースも。また、どんなに短い間でも小さい子どもだけを車に残すのは違法行為になるので注意が必要。つまり、車内に大切なものは何も残してはいけないのです。

アメリカでの運転に必要な国際免許証

交通ルールの違いを押さえておくと共に、アメリカで運転するために日本出発前に準備が必要なものについても知っておきましょう。ハワイなどの一部を除いて、アメリカをはじめ海外で運転をする際には、日本の公安委員会が発給する「国際免許証」が必要です(正式名称は「国外運転免許証」)。日本の運転免許証があれば、書類の手続きだけで取得できるので、少しでもアメリカで運転する可能性があるなら、ぜひ旅行の前に取得しておくと良いでしょう。注意点は、国際免許証は運転資格があることを証明してくれますが、身分証明書代わりにはならないこと。レストランでお酒を頼む時に年齢確認が必要な場合などは、IDとしてパスポートなどが別途必要です。
 
◎国際免許証とは?
日本が加盟しているジュネーブ条約に基づいて各都道府県の公安委員会が発行するもので、条約の加盟国がそれぞれの国で発行された国際免許証を認め合うものです。有効期限は1年ですが、期限が切れた後も申請し直せば、改めて取得することができます。
 
◎国際免許証の取得方法
国際免許証の申請を受け付ける窓口は、各都道府県警察署の運転免許課や運転免許センター、運転免許試験場などです。基本は即日発行ですが、警察署で発行を受ける場合には、発行に2週間程度かかる場合がありますので、渡航1カ月前には申請しておいたほうが良いでしょう。申請に必要な書類や手数料はこちら
 
※アメリカでレンタカーを借りる場合、レンタカー会社によっては、国際免許証だけでなく日本の運転免許証の提示も求められるケースがあります。忘れずに持参しましょう。

アメリカ西海岸の運転にサングラスは必需品

日本ではサングラスはファッションの一部のような位置づけかもしれませんが、ロサンゼルスをはじめとするアメリカ西海岸での運転にサングラスは必需品。日差しの強さは比べ物になりませんし、紫外線も強力です。特に日没時に車の運転をしていると、あまりの眩しさにサングラス無しでは前の車も見づらいほど。ロサンゼルスで運転を考えている人は、ぜひ日本で自分に合ったサングラスを購入しておくことをおすすめします。

アメリカ・ロサンゼルスの主なフリーウェイ

よく間違った認識をされるのが、フリーウェイの意味。”無料の高速道路”と思ってしまいがちですが、そうではありません。信号機やストップサインなどがなく、走行中に停止する必要がない道路という意味で”フリー”と呼ばれています。また、フリーウェイの名前は番号で記されており、奇数番号は南北、偶数番号は東西に道路が伸びているのが一般的。下記はロサンゼルスの主要フリーウェイです。

フリーウェイ フリーウェイの特徴
110号線 サウスベイ~ダウンタウン・ロサンゼルスを南北に結び、朝夕は非常に交通量が多いフリーウェイ。
405号線 アメリカ全土で最も混雑するフリーウェイの一つ。ロサンゼルスの南にあるオレンジ・カウンティ~サンタモニカ間の海岸近くを走るフリーウェイ。
10号線 西はロサンゼルスのサンタモニカから始まり、リゾート地のパームスプリングス、さらにはアリゾナ州の州都フェニックなどを通り東海岸のフロリダ州まで、アメリカ全土を東西につなぐフリーウェイ。
5号線 南カリフォルニアのサンディエゴから、ロサンゼルス・ダウンタウン、シアトル、そしてカナダ方面までをつなぐ南北に走る州間高速道路。

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