サンディエゴを代表するコーヒーロースター「バードロック・コーヒー・ロースターズ」

ライトハウス電子版アプリ、始めました

ライトハウス・サンディエゴ版編集長、吉田聡子が、サンディエゴ生まれのブランドを訪問。世界に羽ばたいた物から、ローカルにこだわる物まで、名品の背景にある物語を探ります。

Bird Rock Coffee Roasters / バードロック・コーヒー・ロースターズ

店の裏

店の裏にはバイヤーが買い付けに行った場所と、その物語が貼られている。「僕はどのコーヒーが一番おいしいか聞かれるのが苦手。どのコーヒーにもそれぞれの味と物語があるからね」とジェフ。

今年の3月、Bird Rock Coffee Roastersのオーナーが変わると聞いて驚いた。Bird Rock Coffeeと言えばサンディエゴのサードウェーブコーヒーシーンを語る時に必ず名前が挙がる存在。同ロースターの創業者で初代オーナーのチャック・パットンは、コーヒー豆を生産農家から直接買い付けるダイレクトトレードのコーヒーショップをサンディエゴで初めて実現した人であり、無類のコーヒー好きと知られている。今やサンディエゴに3店を展開するなどビジネスも堅調でありそうなのに、なぜ売却を?
 
取材を申し込むと新オーナー、ジェフ・テイラーがインタビューに応じてくれた。
  
「チャックは会社を辞めるわけではないよ。オーナーを退いて今後はヘッドコーヒーバイヤーとしてコーヒーの買い付けに専念するんだ」(ジェフ)。

ジェフ・テイラーと

新オーナー、ジェフ・テイラー(右)と吉田。

ジェフ・テイラーはかつてフォトジャーナリストとして活躍していたが、コーヒーへの情熱に抗えず、1993年にカンザス州でPt’s Coffee Roastersを創業したというユニークなキャリアの持ち主。アメリカのコーヒー業界でダイレクトトレードのビジネスモデルを構築した先駆者でもある。Bird Rock Coffeeのチャックとは持っているコーヒー哲学が似ており、10年来の友人だ。
 
「僕はここ10年以上、コーヒーの買い付けで世界を飛び回っていた。でも、子どもが生まれて、家族と過ごす時間が欲しくなった。一方でチャックはビジネスの拡大やマスコミ対応に追われるより、彼が本来好きなこと、つまりコーヒーの買い付けに集中したくなったんだ。2人のニーズがタイミング良くぴったりと合ったんだよ」(ジェフ)。

コーヒーバーにて

ラホヤの南、バードロックにあるコーヒーバーにて。
コーヒーバーにて

Bird Rock Coffee Roastersのミッションは、フレンドシップと素晴らしいコーヒーを提供すること、そして見識と感謝を持つこと。

コロンビアのコーヒー豆

6月にはコロンビアのコーヒー豆3種が新たに登場する予定。

「僕はチャックのやってきたこのBird Rock Coffeeが好きだし、彼の哲学に共感しているから、大きく変えるつもりはない」とジェフ。「ただ、ビジネスチャンスはあるから、そこはチャレンジしたい。キッチンを改造してコールドブリューができるようにしたいし、ボトルや缶のコーヒーを提供できるようにもしたい」(ジェフ)。 
 
さらには店舗数も増やしたい、卸売りも拡大したい、と意欲的に語ってくれた。今後の動きにぜひとも注目したい。

 

Bird Rock Coffee Roasters

◎ Bird Rock Coffee Roasters/バードロック・コーヒー・ロースターズ
5627 La Jolla Blvd., La Jolla
☎ 858-551-1707
▶ 営業時間:平日 6am~6pm 週末 6:30am~6pm
▶ Webサイト:http://birdrockcoffee.com
※リトルイタリー、モレナブルバード、デルマー、PB、カールスバッドにも店舗あり

 
(ライトハウス・サンディエゴ版 2017年6月号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・サンディエゴ版 2017年6月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

「メイド・イン・サンディエゴの舞台」のコンテンツ