ライトハウス・サンディエゴ版編集長、吉田聡子が、サンディエゴ生まれのブランドを訪問。世界に羽ばたいた物から、ローカルにこだわる物まで、名品の背景にある物語を探ります。
Coronado Brewing Company / コロナド・ブルーイング・カンパニー
![]() ルワリー&テイスティングルームにて。この日飲んだのはオレンジ・アベニュー・ウィット
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ロン&リックのチャプマン兄弟が長年の夢であったブルーパブ(ブルワリー&パブ)をコロナドにオープンしたのは、今からちょうど20年前、1996年のこと。クラフトビールが大ブームとなっている今でこそサンディエゴには100近いマイクロ・ブルワリーがあるが、コロナド・ブルーパブが誕生した頃は、サンディエゴには5軒しかマイクロ・ブルワリーはなかったと言う。ここは、サンディエゴにおけるマイクロ・ブルワリーのパイオニアの一つなのだ。
クラフトビールは今、日本でも人気で、各地にマイクロ・ブルワリーができている。ロン&リックと共に創業に関わった共同経営者、シェウンは、日本のマイクロ・ブルワリーとコラボレーションをするために日本に行ったこともあるそうだ。
![]() 「日本は楽しかった!」とシェウン
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「僕らが顔を出したら、その場にいた人たちからものすごい歓声が上がって驚いちゃった。スターになったような気分だったよ」とシェウン。そのエピソードから、コロナド・ブルーイング・カンパニーがクラフトビール界においてある種の地位を確立していることが想像できる。
![]() 2014年のクラフトビール世界大会で、中小規模醸造所として世界ナンバー1を獲得。また、同ブルワリーの代表的な銘柄「アイランダーIPA」は金賞を受賞
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クラフトビールの世界大会で数々の賞を受賞していることで崇拝されているのか。もちろん、それはあるだろう。けれど、おそらくそれ以上に、彼らのクラフトビールに対する姿勢のようなものが後進を魅了しているように感じる。
「サンディエゴにマイクロ・ブルワリーはたくさんあるけれど、僕らは互いに競合とは思っていない。良いホップを見つけた、とか、こんなビールを作りたいんだけど適した材料の産地を知らないか、とか、情報交換も積極的にしているんだ」(シェウン)
![]() さまざまな産地のホップを、銘柄によって使い分ける。それが味や香りの違いになる
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シェウンと一通り話し終えた後は、ブルーマスター、ライアンがブルワリーの中を案内してくれた。もともとビールが好きで、自宅でビール作りをしていたとあり、ホップのこと、麦のことを喜々として語ってくれた。
シェウンもそうだが、ここで働く人たちからは「クラフトビールが好きでたまらない」「自分の仕事が誇らしくてたまらない」という気持ちが自然に溢れ出ているように感じられる。一緒にいるとまるで共に一杯飲んでいるみたいに、こちらの気持ちも弾む。これがいわゆる〝グッドバイブス〞なのだろう。
![]() ブルーマスターのライアン
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「我々の仕事はビールを作ることだけじゃない。くつろいでビールを飲む、そしてビールについてああだこうだと楽しく語り合う。そんなサンディエゴの文化を継承していくことも使命だと思っているんだ」(シェウン)
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1205 Knoxville St., San Diego
☎ 619-275-2215
▶ 営業時間:日曜日~木曜日 11am~9pm 金曜/土曜日 11am~10pm
※他、コロナド、インペリアルビーチにもあり
▶ Webサイト:http://coronadobrewing.com
(ライトハウス・サンディエゴ版 2016年8月号掲載)
※このページは「ライトハウス・サンディエゴ版 2016年8月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。