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ライトハウス編集部
10月18日オープン!NOKIA THEATRE
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ダウンタウンで進む再開発プロジェクト、L.A. LIVEの第1期工事が完了
ロサンゼルス・ダウンタウンで2005年より始まった大規模な再開発プロジェクト、L.A. LIVEの第1期工事が完了し、去る10月18日、ノキアシアターがオープンした。記念すべきこけら落としはイーグルス。前座を人気の女性カントリートリオ、ディクシー・チックスが務めるという、異例の豪華ライブだ。南カリフォルニアの住人、そして全米中のミュージックファンに熱狂をもって迎えられた新コンサートホール、そして2010年の完成が待たれるL.A. LIVEを紹介しよう。
7100席の中規模劇場
ステージの広さは南加一
ノキアシアターが位置するのは、11th St.を挟んだステープルズセンターの北側。目印は劇場前の「ノキアプラザ」と呼ばれる広場に設置された、6本の巨大なLED(発光ダイオード)塔だ。この塔、高さが75フィート、スクリーンの大きさが22×40インチもあり、スクリーンにはさまざまな映像が映し出され、華やかな雰囲気を演出している。シアターの上には大きな「NOKIA」のサイン。建物全体がLEDのイルミネーションで照らされており、時間ごとに青、赤と色を変える。色鮮やかなライティングで、「サウスパーク」と呼ばれるダウンタウン南のこの一帯が、一気に華やかさと活気を増した。
さて、劇場は4階建て、床面積は25万平方フィートあり、座席数は7100席。コンサートホールとしての規模は中規模で、ステージと座席の距離は最長でも220フィートと、どの席からでも迫力満点のステージが満喫できるように設計されている。
ステージの広さは南カリフォルニアにあるコンサートホールとしては最大の1万4千平方フィート。ステージの中央と両脇には巨大なLEDスクリーンが配されており、コンサート中は、ここにパフォーマーたちのアップ映像が映し出される。設置スクリーンの総面積は5千平方フィートに達するという。
メアリー・J・ブライジら
大物アーティストが続々登場
最先端の音響・建築テクノロジーを結集して作られたノキアシアター。総工費はなんと1億2千万ドルで、うち200万ドルが特殊ライティング設備、150万ドルがJBL社製のサウンドシステムに投じられている。
施設内にはイベントやパーティー用のVIPラウンジもある。なかでも2階建て、専用バルコニー付きの贅沢なVIPラウンジ「ワコービア・VIPラウンジ」は、各種授賞式のアフターパーティーの会場としても利用される予定。
こけら落としのコンサートはイーグルス。前座を人気カントリートリオ、ディクシー・チックスが務めるという、異例の豪華コンサートだった。オーケストラ席のチケット料金は265ドルと高額だったのにも関わらず、6夜とも完売。
ノキアシアターでは年間約125のコンサート、ダンス、ショーなどのイベントが開催される予定だ。また、11月18日に開催されるアメリカン・ミュージックアワード賞授賞式を始め、各種授賞式の会場になることも予定されている。メアリー・J・ブライジ、エンリケ・イグレシアス、ビョーク、トリ・アモス、アレサ・フランクリンら、大物アーティストのコンサートも目白押しだ。
総工費 億ドルを投じ
西のタイムズスクエア建設へ
L.A. LIVEは、サウスパークと呼ばれるダウンタウン南地区において進行中の大規模な再開発プロジェクトだ。ステープルズセンター、コンベンションセンター周辺の6ブロック、27エーカーの土地に、レストラン、博物館、レジデンス、ホテル、映画館などの施設を建設する予定になっており、総工費はなんと25億ドル! ロサンゼルスに新たなエンターテインメントとスポーツのメッカを作ろうという壮大な計画で、目指すはずばり、「西のタイムズスクエア」だ。
まず、来年10月に完成が予定されているのが、現在、ノキアシアター隣で工事が進められている「ESPNビル」だ。スポーツ専門のネットワーク局、ESPNの西海岸本社ビルで、内部には大規模なテレビ・ラジオのスタジオができる予定だ。また、1階にはテーマレストラン&スポーツバー、ESPN Zoneもオープンする。
ノキアシアターの奥にもショッピング、ダイニング施設を備えた複合施設を建設中で、こちらはまだ名称が決まっていないが、ESPNと同じく08年10月の完成を予定している。The Farm of Beverly Hills、Fleming’s Prime Steakhouse & Wine Bar、Katsuya、Rosa Mexicanoなどの人気レストランが入店予定で、ジェニファー・ロペス、ジミー・スミッツらが経営するサルサクラブ、The Conga Roomもオープンする。また、ハリウッドにある人気ボウリング場、Lucky Strike Laneもできる予定だ。Grammy Museumも注目の施設。3万3400平方フィートの広い施設内に、グラミー賞と受賞アーティストにまつわるメモラビリアを多数展示する予定になっている。
大規模なホテルの建設も予定されている。JWマリオットホテル(客室数878室)、リッツ・カールトンホテル(客室数123室)がそれで、完成すればコンベンションセンターに隣接して1千室以上の客室が確保できるため、今後のコンベンション誘致が容易になると大きな期待を集めている。なお、54階建てのリッツ・カールトンの上階224室は「リッツ・カールトン・レジデンス」という名称の高級コンドミニアムとして販売が開始されており、1戸150万ドル以上の高額にも関わらず、既に半数以上が売却済みだという。この他にも高層コンドミニアム、ロフトなど、約4千戸の住宅が建設されており、08年までにダウンタウンの人口は6万人を超えることが見込まれている。L.A. LIVEが完成すれば、ダウンタウンはこれまでのオフィス街から、働くだけではなく、暮らし、遊ぶことのできる街に変わっていくのだろう。
「ダウンタウンは危ない」というイメージを持っている読者も多いかもしれないが、L.A. LIVEが完成すれば、深夜まで人で溢れかえる、賑やかで安全な街に変わるだろう。ノキアシアターのオープンを皮切りに、大きく生まれ変わろうとしているダウンタウンに今後も注目したいところだ。
INFORMATION
Nokia Theatre
777 Chick Hearn Court, Los Angeles
☎213-763-6000
ボックスオフィス:☎213-763-6020
www.nokiatheatrelalive.com