アボガドをスペイン語でなんというでしょう?
ん?もちろんアボガドでしょ?
それがちがうのですね。
「アボガド」と、日本人には子音にぜんぶ濁点をつけてしまう人が多いけど、これだと「abogado(弁護士)」のことになってしまう。
英語の「advocate」に関連したことばだ。
濁点をぬいて「avocado」としたところで、これは英語で、スペイン語ではない。
正しくは「aguacate」( アグアカーテ)という。
中南米では、パルタ(palta)いうこともある。
アボカドを使ったディップ、あの、トルティリャ・チップスをつけて食べるグリーンのやつは、グァカモレ(guacamoleまたはguacamol)とよばれるが、これはアグアカーテのモレ(=サルサ)という意味なのである。
小さい石臼にアボカドの実を入れ、摺り潰す。この石臼をモルカヘテ(molcajete)という。
グァカモレには、トマトやオニオンなどをチョップしたものをまぜることもある。
あるいは、料理のつけあわせとして皿の端に載ってくる。
これはこれでいい、と思っていたのだが、今年の春カンクンに行ったとき泊まったリゾートホテルで、ビーチに張り出したバーで飲んだマルガリータがすばらしかった、というのは前号で書いたが、じつはそこのグァカモレがもっとすばらしかったのだ。
ふつうよくあるグァカモレは、舌触りが少しネチャついて、アボカドのかたまりが残っている。もしかしたらミキサーかなんかに放り込んで作るのだろうか。
ところがこのビーチバーのものは、時間をたっぷりかけて少しずつ少しずつ、モルカヘテで丁寧に摺ったのだろう。テクスチャーがものすごく細かい。
できあがりは生クリームそのものである。薄いグリーンの、フワッとしてシットリしたクリーム。
これがホントのグァカモレなのか!と感激したものだ。
アボカドそのものも、とても香りがよかったのだと思う。
アボカドといえばカリフォルニア・ロールの材料として定着しているが、メキシコ原産のこの果物が醤油とマッチするというのは不思議な気がする。
いいアボカドを買ってきて、半分に割り、ワサビと醤油をつけながらスプーンでしゃくって食べるのはすごくオツなものだ。
ビールによくあう。
僕は中南米とアメリカ以外ではお目にかかったおぼえがない。ユニークな食材だ。
ところで、アボカドの木というのは、ものすごい生命力を持っているようだ。
我が家の庭にアボカドの木があり、これがとっても邪魔な場所にあるので、根本からすっぱり切り倒すのだが、一年もするともとどおりの巨木に成長してしまう。
いったいどういう植物なのかなあ、と調べているうちに、なんとアグアカーテという名は、アステカ人の言葉で、男性に二コあるあの器官のことも意味するのだということがわかった(参考:Wikipedia)。
そういわれてみれば、その形状は似てるといわざるを得ない。
そのせいで、精力をつける薬と考えられたこともあるらしいが、生命力があることだけはまちがいないようだ。
OCではココ!
「味」は30点満点、「予算」は二人分です
Rivera
メキシコ料理というよりも、ラテンアメリカ風居酒屋。メキシコ風のタパスなどがある。グアカモレもうまい。店の雰囲気はなかなかシャレている。
味:23 予算:$80
1050 S. Flower St. #102, Los Angeles
☎213-749-1460 www.riverarestaurant.com
Lunch : Mon-Fri 11:30am-2:00pm
Dinner : Mon-Sat 5:30pm-10:30pm、Sun 5:30pm-10:00pm
Open 7 Days
La Huasteca
このプラザは、LAの中でもっともメキシコに行ったような気分になるスポットのひとつだ。その中の一軒、La Huastecaは体育館のような殺風景な室内だが、味のレベルは高い。メニューもありきたりのものばかりではなく、メキシコ料理というものに一歩踏み込める世界だ。
味:22 予算:
3150 E. Imperial Hwy., Lynwood(Plaza Mexico内)
☎310-537-8800 www.lahuasteca.com
Daily 9:00am-11:00pm
Open 7 Days
(2009年12月16日号掲載)
アボガドの生命力?
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