今日はcurries

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Mr.世界(今日はcurries)

「きょうはカレーにしよう!」となったとき、みなさんは、「さて、入れる肉はなんにしよう?」と悩みませんか?
 
「ビーフ」?「ポーク」?「チキン」?
日本の全家庭で統計をとったら、どれが一位になるんだろ?
おそらくほとんど差がないくらい、どれもポピュラーだと思う。
 
さて、これがインドの家庭だったら?
ナンバー1が「チキン」、ナンバー2が「羊」だろう。
でも、南インドに限っていえば、きっと第一位の答えはこうだ。
「肉?そんなもの入れません」。
 
このあいだ行った南インドは、前回も書いたように、ベジタリアンがとても多い。
非ベジタリアンならば、魚介類をよく食べる。
そしてこの、南インドのフィッシュカレーというやつが、えらくうまいのですね。
エビカレーやカニカレーもあって、これがまたワをかけてうまい。
 
今回、アンダマン島の海沿いの店で食べたカニカレーの味は、一生忘れられないかもしれない、というものだった。
海中生物カレーは、カレーのスパイスとブレンドすると、陸上動物カレーとは別種の食べもののような、独特のうまみがうまれるようだ。
 
シンガポールにはリトル・インディアというインド人居住区があって、そのはずれに有名なフィッシュカレーのレストランがある。
ここは魚を頭ごと煮込んだカレーで、正確にはフィッシュヘッドカレー。これもホントにおいしいです。
バナナの葉をしいて、その上にゴハンをのせ、フィッシュヘッドカレーをかけて食べる。バナナの葉は、他人が使った皿を使うのはイヤだというインドの習慣からきているのだが、見た目も趣があってエコだし、香りも少しつくのだろうか。格別においしい。
 
南インドのエビ・カニカレーにはなしをもどせば、エビやカニのようなデリケートな味のものが強いスパイスと混ざったら、その味が隠されてしまうのでは、と思いきや、うまいことブレンドされるのだ。
日本にもエビカレーを出すレストランもあるようだが、茹でたエビがカレーの中に混ざっているだけ、というのではその「うまみのブレンド」にならない。脳ミソや殻ごと煮込んでこそうまみがでるのだ。
 
インドには、野菜のカレーもたくさん種類があって、ポテトやカリフラワー、オクラ、ナス、キャベツ、ニンジン、さまざまな味付けをする。ダールという豆も不可欠だ。
ドライなものも、シチューっぽいものも、ギー(バターの上澄み)を使ったり使わなかったり、もちろんスパイスの使いかたも千差万別。
 
そうだ!この点こそ、日本のカレーとインドのカレーの最大のちがいだ!
日本人は、「カレーを食べましょう」となったら、一種類のカレーだけ食べておしまい。
インドは、かならず何種類かのカレーを用意して、それぞれの材料やスパイスのちがいをあじわいながら楽しむ、これが大きなちがいだ。
 
みなさんも、どれにしようか悩んだら、いっそのことビーフ、ポーク、チキン、野菜と、ぜんぶ作って晩御飯にしてみたらどうでしょう?きっと楽しいですよ。
あ、それとフィッシュカレーもよろしくね。
 
LA&OCではココ!
「味」は30点満点、「予算」は2人分です
 
Haveli
リトルインディアにまた新しい店ができた。この地域では最も大きく、内装もこれから改造されてアップスケールになる予定。フィッシュカレーやシュリンプカレーもある。
味:22 予算:$50
17221 Pioneer Blvd., Artesia
☎562-860-4608  
Lunch: Daily 11:00am- 3:00pm
Dinner: Daily 5:00pm-11:00pm
Open 7 Days
 
Royal Khyber
アップスケールのインド料理店という意味では、LAで一、二を争う店。料理も同様にとても洗練されている。シーフードカレーもいろいろあるが、特にロブスターのカレーは珍しい。
味:25 予算:$100
1621 W. Sunfl ower Ave., Santa Ana
☎714-436-1010 www.royalkhyber.com
Lunch: Sun-Fri 11:30am- 2:00pm
Dinner: Sun-Thu 5:30pm- 9:30pm
Fri & Sat 5:30pm-10:30pm
Open 7 Days
 
(2011年2月16日掲載)

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