ベトナム料理とは?

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Mr.世界(ベトナム料理とは?)

この年末年始は、ベトナムだった。約10日間、朝昼晩、もちろんすべてベトナム料理で過ごした。
ベトナムは今回で二度目だったが、だいぶ「ベトナム料理とは?」、ということがわかった気がする。
なぜかというと、今回は南から北まで縦断していろいろなものを食べたからだけではなく、「クッキングクラス」なるものにも参加したからだ。
ベトナム料理といわれて思い浮かぶのはフォー(Phở)。僕も、朝起きてフォー、お昼にフォー。
これが彼らの習慣なのである。夜も食べないわけではないが、主に朝食と昼食、軽くて、心と体が暖まる(中部や北部ベトナムの冬は結構寒いです)。
 
特に今回行ったフエの名物「Bún bòHuế」は、フォーの一種で、丸い麺とちょっと辛くて酸味のある、そしてコクのあるスープ。これはうまかったです。
 
もちろんそれだけではない。
ホイアンの名物、ラビオリのようなWhite Rose、フエで食べたベトナム風お好み焼きバインセオや、むかしのベトナム皇帝の宴会で出された宮廷料理、ハノイでは新鮮なシーフードのBBQ。
人々のルーツは中国、西洋文化を旧宗主国フランスから。両者の影響をたっぷりうけ、個性ある料理の数々だ。東南アジアでは、タイに続くウマイモノ宝庫と感じた。
 
さて、「ベトナム料理とは」。
なんてったって「米」だ。日本のように白飯として食べるのはもちろん、麺にしてフォー、延ばして巻いて春巻き、揚げてお好み焼き、包んでラビオリ。パンをのぞいて小麦粉を使った食にはまったくお目にかからなかった。
そしてニョクマム。この、魚を発酵させて作る調味料は、東南アジアに広く普及しているが、ベトナムではその「うまみ」を特にいかす。
さらには、ミントやコリアンダーなどの香草類はもちろんのこと、ターメリックや唐辛子などの香辛料もたっぷり使うことだ(もやしは中部・北部では南部ほど使わない)。
それと、砂糖。ベトナム料理にはかなりの砂糖が使われていることにも驚いた。驚いたということは、食べているだけではあまり気がつかなかった、かくし味としての、うまさ増強剤だ。
料理方法はかなりシンプルだ。日本料理なら下ごしらえやダシなど、相当な手間と時間をかけるであろうが、ベトナム料理の多くは、材料をズラッと並べた状態から、それらを切って混ぜたり巻いたり、煮たり焼いたり揚げたりするだけで、簡単にできあがってしまう。
それはやはりベトナム料理のメインのルーツが、広東をはじめとする中国南部の料理にあること。その主眼がシンプルな料理で素材のうまさを楽しむ、というところにあるからだろう。
そう、素材がうまいのだ。
 
今回感心したことのひとつに、ベトナムには手作りによるオーガニック野菜や香草の小規模農場(共産主義の国にもかかわらず、個人経営)というのがたくさんあって、僕も見学させてもらったが、こういうところでこのうまい野菜を作っているのか、というのが理解できた。肥料は海藻から作ったコンポスト、ハウス栽培にもせず、太陽光をたっぷり直接浴びさせて作った、香りのいい野菜や香草だ。
 
そして共産主義にもかかわらず、ひとびとは明るく親切で、楽しく旅行ができました。
 
LA&OCではココ!「予算」は2人分です
 
Lien Hue
リトルサイゴンのフエ料理の専門店。料理といっても、Bún bò Huếやその他の軽食が主体の人気店。Bún bò Huếは血の塊なども入りかなりパワフル。いやならそう言えばよい。
予算:$15
14291 Euclid St. #D102, Garden Grove
☎714-265-1125  
Daily 7:00am-7:00pm
Open 7 Days
 
Kim Hoa Hue
これもフエ料理の専門店。Bún bò Huếは人気アイテム。そのほかにもフエ名物、バナナの皮で巻いた餅などのサイドディッシュが豊富でうまい。
予算:$15
9813 Garvey Ave., El Monte
☎626-350-1382 
Tue-Sat 8:00am-8:00pm
Sun 8:00am-6:00pm
Closed on Mondays
 
(2012年2月1日号掲載)

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