つい最近、またトルコに行った。
以前に世界三大料理について、「日本では『世界三大料理はフランス、中国、トルコ料理』とされているようだが、トルコ料理はおかしい!」と書いたのを覚えている読者もおられるだろう。
よく調べてみたら、トルコ政府の広報資料などにも三大料理のひとつと書いてある。トルコの友人に聞いたら、トルコ人自身もそう信じているようだ。
じつはそれって、ヨーロッパにおいて、おそらく18世紀とか19世紀に、当時の限られた知識や経験で異国における食文化を考えたときに出した答えが広まったらしい。つまり、いまの世のなかで僕たちが世界を旅行をして味わうことができる食文化という観点とは、まったく関係がないのである。
そのふたつをゴッチャにしている日本がおかしい、と言ったほうがよかったかもしれない。
ま、僕に言わせれば、「世界三大料理は『フランス・香港・日本』」という結論に変わりませんが。
それでは、現代のトルコ料理のレベルははたしてどうか。
うまいです。
僕なりの結論から言うと、三大料理はムリだが、イタリア、インドに続き、スペイン、タイ、ギリシャあたりのレベルで、世界十大料理には絶対入れたい。
まず、材料がいい。
広大な土地からとれる野菜や肉、魚介類の味と香りがすばらしい。
そして、「メゼ」とよばれる前菜。
これがバラエティーが多く、少量ずついろいろなものを食べることができ、トルコ料理の最大の楽しみだ。
今回トルコ人の友人に連れて行ってもらったアンカラのレストランでは、寒い街から店内に入り、シシカバブを焼く炭のグリルのまえに陣取って身体が温まっているうちに、店の人が次から次へ大きなお盆に載せたいろいろな前菜を見せに来る。
これとこれとそれとそれ、と2人で十種類も選んだろうか、チーズやオリーブ、サラダ類、豆類やそれを潰した「フムス」(今回初めて食べた「焼きフムス」はすごくうまかった!)、さまざまな「ドルマ」(トマトやナス、オリーブの葉、貝などをくりぬいて中に肉や米を詰めたもの)などなど、それをトルコ産のワインとともに食す。
日本の居酒屋と同じで、友人と会話を楽しみながら小さい料理をつまんでワインを飲む楽しさ。
トルコのワインも、うまいのです。
そしてシメに、目の前のシシカバブ焼きのおじさんに1、2本頼んで焼いてもらう。
ほかにも、「チョルバ」とよばれるスープ類が種類が多く、楽しい。
小魚のフライに、レモンをチュッと絞って塩を振っただけで食べるという、南イタリアのような料理もすごくいい。
トルコの高速道路を走っていたとき、お腹がすいたのでレストエリアに入ってそこで簡単に昼食を済まそう、ということになった。
そこのビュフェで食べたトルコ料理、これがえらくうまかった!
つまり、高いおかねを出して有名レストランに行けばうまいものがあるのはあたりまえとして、レストエリアなんかにあるような庶民的な店ですごくうまいものが食べられる、これこそが、世界トップレベルの「うまいものの国」である証拠なのである。
感激して、すっかりトルコ料理のとるこになりました。
LAではココ!「予算」は2人分です
Istanbul Catering
東海岸とちがってアメリカ西海岸はトルコ人の移民が少ないようで、本格的とよべるトルコ料理のレストランはないに等しい。しかしこのケータリング専門の店は、 写真を見る限りにおいてはとっても本格的で、メゼの種類も多い。まだ実際にこの店をトライしたことはないが、いちどなにかの機会に頼んでみたいと思っている。
予算:応相談
Pasadena
☎323-313-2167
www.istanbulcateringinla.com
Open 7 Days
Spitz
ファーストフードのトルコ料理ならいくつかある。本文では触れていないが、トルコのファーストフードとして世界に名高いドネルカバブの食べられる店がなんとリトルトーキョーにあるのだ。ドネルカバブは手軽でおいしく、ちょっと異国情緒がある。イーグルロックにも支店あり。
予算:$25
371 E. 2nd St., Los Angeles
☎213-613-0101
www.eatatspitz.com
Sun-Wed 11:00am-10:00pm
Thu-Sat 11:00am-12:00am
Open 7 Days
(2012年2月16日号掲載)
トルコ料理のほんとのレベルは?
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