韓国料理とは

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Mr.世界(韓国料理とは)

ベトナム、トルコ、ギリシャと、「…料理とは」シリーズが続いたところで、今回はさらに身近な「韓国料理とは」といきましょう。
とはいっても、いまさら料理の説明をズラズラ書いてもおもしろくないので、僕自身の思うところの「韓国料理の特質」について書かせてください。
韓国料理が世界のほかの料理と大きくちがう点は、いくつかあると思う。まず、言うまでもなく、その類マレなる唐辛子の使いかただ。
唐辛子を使った料理や、薬味として唐辛子を使うところは世界にあちこちあるけれど、あそこまで唐辛子でマッ赤にした料理がその料理体系の大部分をしめるという国はほかにはない。
辛いので有名な四川料理でさえ、あそこまで赤くない。
 
では、「世界一辛い料理」なのかというと、かならずしもそうではない。そもそも、韓国で使われる唐辛子の種類は、色は赤いけれども、さほど辛くないのだ。むしろ唐辛子のうまみ成分を巧みに利用している料理と言ったほうがいい。
じつは、韓国料理のいちばんの特徴は、「キムチが食事の『中心』である」ということだ、と僕は思う。その他の食べものは、すべてそのまわりに存在する。
別の言いかたをすれば、キムチが「主食」なのだ。日本人にとっての白いご飯とおなじだ。
そもそも「主食」という形態は、ほかの国にはあまりなく、ほかの国は、並列的に食べるか、時系列的に順番に食べるか、というものだ。
つまり、韓国料理において、キムチは単なる漬物、料理のわき役ではない。
日本にも漬物はあるが、日本食のいかなるものを食べるときにも必ず漬物を食べると言うほどではない。
 
一方、韓国料理にキムチがないということは、まったくあり得ないのである。
そして、ほとんどの品が、意識するとせざるにかかわらず、キムチによくあうようにできている、と僕は思う。
その多くは、キムチとの「ブレンド」あるいは「ハーモニー」を図っている。赤くて辛い。
チゲがそうだし、スンドゥーブやユッケジャンなど、多くの料理がそうだ。
 
そしてその逆に、「コントラスト」をとっているものがある。その料理自体は辛くない。焼肉がそうだし、ソルロンタンやカルグクス、ネンミョンなど、比較的淡白な味つけのものを食べながら、辛く強烈なキムチをつまむこと、交互に味わうことによって、味覚に広がりが生まれる。
そこで生まれる特質を、ひとことで表すなら、「パンチ」、あるいは「主張」である。
それは、ニンニクやネギ、あるいはヨモギのように香りの強い食材を遠慮なく用い、さらには生ガキや生の蟹のような、いわゆる「生ぐささ」をも抵抗なく使い、そしていろいろな食材をまぜあわせることによって増幅される。
韓国料理と親戚関係にある日本の伝統的なメニュー、たとえばウドンだとか親子丼だとか、スシも天麩羅もそうだが、こちらはパンチではなく、優しさ、奥深さ、なごやかさを重視していると思う。
どちらがいいとか悪いとかいうのではなく、人種的に非常に似ているし距離的にも近い日本人と韓国人の、似ているようで大きく違う、ものの考え方、性格パターンとも共通しているのではないだろうか。
 
LA&OCではココ!「予算」は2人分です
Koba Tofu Grill
スンドゥーブの店はLA界隈にもものすごく増え、チェーン店もいくつかある。この店もチェーン展開しているが、ほかの店にくらべ、おしゃれな店内と、いくつものキムチをはじめとする豊富な副菜が僕は好きだ。
予算:$20
4501 Campus Dr., Irvine※
☎949-725-0516 www.kobatofugrill.com
Daily 10:00am-2:00am
Open 7 Days
※North Irvine店、Fullerton店もあり
 
Koreatown Galleria
LAのコリアンパワーをまざまざと見せつけられるような、韓国一色の大きなショッピングモール。食べものの店だけで15軒を擁するが、すべてが韓国料理ないしは韓国スタイルの店というのがすごい。
予算:店による
3250 W. Olympic Blvd., Los Angeles
☎323-733-6000 www.koreatowngalleria.com
Mon-Sat 10:00am-9:00pm
Sun 11:00am-8:00pm
Open 7 Days
 
(2012年3月16日号掲載)

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