ミルクったっていろいろ

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Mr.世界(ミルクったっていろいろ)

ミルクとひとことで言ったって、いろいろあるわけです。
西サハラという国に行ったとき、サハラ砂漠のまんなかのトゥアレグ族のテントで、ラクダのミルクを飲ませてもらった。
洗面器のような器に直接ラクダから絞ったものを持ってきてくれた。
うまいかまずいかと言われれば、うーん微妙な感じだ。
ヨーグルトのような、発酵したような酸っぱい味だった。
馬乳、すなわち馬のミルクは、もちろんモンゴルで飲んだ。
それほど強い印象はない味だった。
羊や山羊のミルクはアメリカのマーケットでも売っているから、それほど珍しいものではないだろうが、やはりそれぞれの肉の香りと共通した香りがある。
 
さて、牛のミルクは言うまでもなく、ラクダ、馬、羊、山羊、僕たちの身の周りにいる動物、まだなにかいませんでしたっけ?そう、ブタ。
考えてみたら、ブタって、世界中の多くの地域でとってもポピュラーな家畜なのに、そのミルクって出回っていない。なぜなのだろう?
インターネットで見てみると、「うまくないから」という説も見受けられるが、僕はそれは信じない。ブタの肉があんなにうまくて、ミルクがまずいはずはない。
それはたぶん、売っても儲からないから、ということだと思う。
つまり絞って売ろうとしても、ブタさんは牛や羊のようには協力的ではないみたいだし、そもそも絞ってみたところで一度に出る分量が少ないのだ。
 
ほかにもまだ身近な動物いますね。犬はどうか?
牛や羊はミルクがとれるだけではなく、皮や毛も肉も利用できるから、家畜として効率がよく、牧畜業としてなりたつが、犬はもちろんそうはいかない。
でも、犬のミルクを飲んでみたからといって、まずいとか身体に悪いとかいうことはまったくないそうだ。
 
しかしいずれにしても、哺乳動物のミルクというものは、栄養やホルモンのバランスも、そしてその味も、その動物の赤ん坊を育てるためにできているわけで、そうなると人間にいちばんいいのは人間のミルクということになるのは言うまでもない。
人間のミルクは自分の子供以外に飲ませてはいけないという理由はなにもないし、販売してはいけないという法律はないようだ。
僕がまだ乳呑み児だったころは、戦後まだあまり年数がたっていなくて、近所には栄養が足りなくて乳がよく出ない母親もいて、もちろん粉ミルクなどは出回っておらず、僕の母は近所の子供にも乳を飲ませたそうである。
 
人間もそうだが、牛や羊も、食べものによってミルクの味がかわってくる。
緑の草を食んだ牛のミルクは草の香りがするし、塩を含んだ海岸近くの草を食べた羊のミルクは、ほのかに塩辛い。
だから一概にどの動物のミルクがいちばんおいしいとかまずいとか言えないわけだ。
人間のミルクの味について言うと、ロンドンには人間のミルクで作ったアイスクリームを売る店があって、おいしいと評判だそうである。
僕に言わせると、ちょっと悪趣味だと思うんですけどね。
 
LA&OCではココ!「予算」は2人分です
Olio Plizzeria
街角の小さなピザ屋さん。とは言っても、ほんとの薪の釜で焼いたピザは、薄くてモチっとした食感、トッピングの味もどれをとってもLAではなかなかお目にかかることができない味。デザートにいたるまでおいしい。
予算:$30
8075 W. 3rd St. Suite 100, Los Angeles  
☎323-930-9490 www.pizzeriaolio.com
Lunch: Mon-Fri 11:00am-3:30pm
Brunch: Sat & Sun 11:00am-3:00pm
Dinner: Mon-Fri 5:30pm-10:00pm、 Sat&Sun 3:00pm-10:00pm
Open 7 Days
 
Moros Cuban Restaurant
車で前を走ってもまず気がつかない小さな店。そもそもおいしいレストランがあるとは考えてもいないような場所だ。ところがどの料理をとってもおどろくほどおいしい本格的キューバ料理。そして安い。
予算:$40
380 N. Harbor Blvd., La Habra
☎562-694-4169 www.moroscubanrestaurant.com
Tue-Thu&Sun 11:00am-9:00pm、 Fri&Sat 11:00am-10:00pm
Closed on Mondays
 
今回は内容に直接関連した店がないため、最近みつけたおいしいレストランを紹介しました。
 
(2012年9月11日掲載)

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