コーシャーの真理

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Mr.世界(コーシャーの真理)

イスラエルに行ったとき、疲れていたのでホテルの部屋でルームサービスをした。
クリームスープとハンバーガーを頼んだのだが、しばしして部屋に運ばれてきたのは、クリームスープだけだ。
「ハンバーガーも頼んだんですが」。
と聞いてみる「スープにはミルクが入っていますから」。
との答えだ。
 
あーそうか、とは思ったが、次にハンバーガーが運ばれてきたのは1時間もたってからだった。
そう、これがユダヤ教、コーシャーなのである。
 
ユダヤ教では、イスラム教のコーラン同様、豚肉や甲殻類、貝を食べてはいけないと規定しているのはよく知られているが、このように肉と乳製品を一緒に食べない、食べないどころかキッチンで調理も同時にしてはいけないし、一緒にルームサービスで運ぶなどもってのほか、というのはあまり知られていない。
肉と乳製品は、少なくとも1時間、ひとによっては6時間、間隔をあけなくてはいけないとされている。
 
そのほかにほとんどの昆虫、猛禽類の鳥、タヌキなどなど、食べてはいけないものがいろいろあるのだが、いったいなぜそういう規定が作られたのだろう。
「清い生き方をするため、神に近づくため」という解釈がなされている。
でも僕にいわせれば、神の教えとされているものには、合理性がある。
「ひとびとの健康を考えて」のことだと僕は思う。
甲殻類つまりエビやカニ、それに貝類は海の底で生きている。海のなかの不潔なものや毒が底に沈殿し、それを食べて生きている生物だから害がある、と解釈できる。じっさい、牡蠣などの貝類が食当りしやすいのはそれが理由なのだ。
昆虫には菌をもつものもいるし、死んだ動物の肉を食べることのある動物や猛禽類も禁止しているのもよくわかる。
 
豚については、寄生虫という説もあるのだが、僕はそれよりも、むかしのひとびとの生活体系に関連しているという持論があるのだが、詳しいことは別の機会にゆずろう。
 
それでは、肉と乳製品を一緒に食べてはいけない、というのはなぜなのだろう?
これも単に「宗教上の理由です」と片づけることはできないと僕は思う。牛が生産する牛乳とその生産元の牛肉だから、一緒に食べるとよくないことがあるのだろうか。
 
まてよ、そうなると親子丼はどうなんだろう?
鶏が生産するタマゴと鶏肉はいっしょに食べるとカラダに悪いのだろうか?
 
ユダヤ教で親子丼を禁止しているというのは聞いたことがないので、とりあえず気にせず食べることにしましょう。
肉と乳はそれぞれは栄養価がたかい食物だから、禁止するわけにはいかない。しかし、いずれも飽和脂肪酸が多いから、摂りすぎると害になる、これは現代人はよく知っていることである。
 
そのような制限を加えることによって、食べるチャンスを減らし、野菜などをもっと食べるように、というための方便だったのではないか、と僕は思っている。
僕なんかはステーキを食べながらパンにバターを塗って食べてしまうので、敬虔なユダヤ教徒にはなれません。
 
LAではココ!「予算」は2人分です
Pico Kosher Deli
コーシャーには、じつは食材などにも本文で書いた以外にもいろいろ規定があるのだが、それに則った食材を提供する店。West LAのこの界隈にはコーシャー系の店が多い。
予算:デリのため、場合による
8826 W. Pico Blvd., Los Angeles
☎310-273-9381
Mon-Thu & Sun 11:00am-10:00pm
Fri 5:00pm-9:00pm
Closed on Saturdays
 
Ta-eem Grill
コーシャー系、とくにイスラエルの一般的な料理を出すレストラン。地理的にもアラブ系の料理と似ていて、パンにビーフやチキンをはさんだシュワルマで有名。店はまさにイスラエルや中近東にありそうな雰囲気。
予算:$20
7422 Melrose Ave., Hollywood
☎323-944-0013
Mon-Thu & Sun 11:00am-10:30pm
Fri 11:00am-5:00pm
Closed on Saturdays
 
(2012年12月1日掲載)

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