レモンあちらこちら

ライトハウス電子版アプリ、始めました
Mr.世界(レモンあちらこちら)

レモン、lemon、柠檬(ニンモン=中国語) 、citron(フランス語) 、limone(イタリア語) 、Лимон(リモン=ロシア語)…。
 
世界中どこでもポピュラーな果物だが、その特徴は、応用性の広さだろうか。
 
肉や魚料理の風味づけに、サラダや野菜にも味わいを加え、スープのベースにも、甘いデザートのソースにもなり、 ソフトドリンクの原料や、酒にもなる。
 
「レモンを使った料理」といって検索してみたら、ひとつのサイトで1500種類の料理を載せているところまで出てきた。
 
レモンを使った料理のなかで、僕がいちばん印象に残っているものはというと、セネガルのヤッサチキン(Yassa Chicken)だ。
 
チキンを大量のレモンジュースとマスタードとタマネギでじっくりマリネードして煮込んだもので、レモンの香りがチキンとすごくマッチして、セネガルに行ったときにはこれにトリコになって毎日食べたものだ。
 
日本人にとっては、ちょっと珍しい料理なのに口にあう、しかも作るのは簡単、というわけで、我が家でお客をするときはよく登場して、おおいによろこんでもらっている。
 
スープで思いだすのは、ギリシャのレモンスープ「avgolemono」かな。
 
温かくてレモンの香りがほわっとして、 チキンブロスと、少し入ったライスがほっとさせてくれる。
 
デザートはレモンタルトだろうか。
 
ソフトドリンクはレモネード。これにはマイヤーズ・レモンという種類がよくあう。マーケットではあまりみかけないが、南カリフォルニアではよく裏庭に自生しているレモンだ(我が家にもあります) 。酸っぱみが少なく香りが少しオレンジに近くて、すごくおいしい。
 
お酒、これはなんといっても「リモンチェロ(limoncello) 」にとどめをさす。
 
あまり日本では知られていない酒なのではないかと思うが、イタリア、特に南イタリアでは、食後酒としてもっともポピュラーなお酒のひとつ。これを飲まないと食事が終わらないという人も多い。
 
あざやかな黄色のお酒で、着色料でも使っているのかと思うのだが、そうではなくてレモンの皮を長時間アルコールに浸して浸み出させた色である。
 
すっごく甘くて、僕はとても沢山は飲めない。でも南イタリアに行って、食後に小さいグラスで飲むキリリと冷やしたリモンチェロをすするとき、ああイタリアに来てよかったと思わせてくれる瞬間である。
 
さて、レモンを材料とした料理ではなくても、レモンスライスが一緒についてきて、それをチュッと料理に絞りかけて食べる、ということはよくありますね。
 
レモンを絞ると、うっかりしてピュッと汁が飛び散って同席している相手の顔にかかったり、というやっかいなしろもの。
 
そこで片方の手で覆ってみたりするが、どうもうまくいかない。そんなことしなくても、いい絞り方があるのはご存じですか?
 
フォークでレモンスライスをグサッと突き刺し、レモンを上に、フォークの柄を斜め下に向けてグイッとひねれば、汁は真下にポタポタとたれて、ほとんど飛び散ることはない。 やってみてください。
 
LAではココ!「予算」は2人分です
Il Barone
ミラノ出身のシェフによるコージーでオーセンティックなイタリアン。メニューはわりとオーソドックスだがレベルは高い。仔牛のレモン風味もあるし、リモンチェロも頼める。
予算:$100
4251 Martingale Way, Newport Beach
☎949-955-2755 www.ilbaroneristorante.com
Lunch: Mon-Sat 12:00pm‒2:30pm
Dinner: Mon-Sat 7:00pm-10:30pm
Closed on Sundays
 
Gordon Ramsey
ロンドンに本店のある(僕も食べました)いま世界的に拡張中の大人気店。このウェストハリウッド店はややカジュアルだが味のレベルは食の一等地ハリウッドにおいてもトップクラス。
予算:$130
The London West Hollywood
1020 N. San Vicente Blvd., West Hollywood
☎310-358-7788 www.thelondonwesthollywood.com
Mon-Fri 6:30am-10:30pm
Sat&Sun 7:00am-10:00pm
 
(2013年2月16日掲載)

「ミスター世界の食文化紀行」のコンテンツ