きのうはキノアを食べました。
キノア(Quinoa)。アワやヒエと同様の、いわゆる雑穀だ。
最近僕がハマッている食べもののひとつである。
日本ではスペイン語語源のキヌアともよばれるが、どちらにしても日本ではまだあまりよく知られた食材ではないように見受けられる。
でもこの食材は、かなり世界で重要な存在になりつつあるのだ。
たかが雑穀のキノアの、なにがそんなにビッグディールなの?
じつは、この穀物が世界を救うかもしれないのだ。
その理由のひとつには、雨が少なく、いわゆる痩せた土地でも多くの収穫ができるという点がある。現在の産地は南米、ペルーやボリビアの高地。ほかにはほとんど作物がとれないようなところで栽培されている。
そしていま、世界のほかの地域でも、雨の少ない痩せた土地での栽培が進んでいる。
もうひとつの理由は、ほかの穀物に比べて栄養価が非常に高く、タンパク質やミネラル、必須アミノ酸を多く含み、コレステロールを下げる効果もあるそうだ。
つまり白米よりも体にいいし、しっかりとおなかにたまって満腹感がある。
グルテンを含まないので、小麦アレルギーのひとにも問題ないそうだ。
だから将来、世界の人口増加や温暖化のために食糧危機が迫ってきたとしても、キノアの栽培を世界で促進すれば、食糧をまかなえるかもしれないというわけだ。
そのすごさは、国連の食糧農業機関が、2013年を「国際キノア年」と命名したことでもわかる。
まだある。NASAが宇宙食として、もっとも長期間にわたってほぼすべての栄養素を摂取できる食糧として採用したのがキノアだ。
でも、僕がハマッている理由はほかにある。
おいしいのです。
僕はもともと、モロッコ料理のクスクスが大好きなのだが、キノアはそれと外観、食感ともにすごくよく似ている。
初めてキノアサラダをマーケットの惣菜コーナーで売っているのを見たときには、クスクスサラダだと思って買って帰ったほどだ。
小さいツブツブで、サラダ風もいいし、シチューやスープに入れてもうまい。
ペルーでは、これをリゾット風に仕立てたキノットQuinotto という料理がポピュラーだ。
ワインにもよくあう。
キノアにはわずかだが独特のクセというか、個性的な風味があって、それが僕がハマッているもうひとつの理由でもあるのだが、それが白ワインと相性をよくしている。
白いゴハンはあまりワインとあわないので、その点でもいい。
さらには、クスクスもそうだが、こういう小さい粒は、ソースや味つけがよくまとわりついて風味が増す。
しかも食べやすい。
お米やトウモロコシなら、口に入れたあとよく噛んで口のなかで小さく砕いてから飲み込むわけだが、キノアやクスクスの粒って、あらかじめだれかに噛んでもらったかのような大きさだ。
つまり、よく噛まずに飲み込んじゃったってかまわないから、食べやすい。
なかなかビッグディールな食べものなのです。
LAではココ!「予算」は2人分です
Industriel Urban Farm Cuisine
一階はダウンタウンらしいシンプルなデコアですが、二階はなかなかしゃれていて、リラックスできる雰囲気の店です。Urban Farm料理と名付けていまが、モダンなフレンチカフェ風で、それほど種類は多くありませんがセンスのいい気がきいた料理があります。キノアとビーツのサラダやケールサラダ、ダックのコンフィーなど、味のレベルは高いです。
予算:〜90
609 S. Grand Ave., Los Angels
☎213-488-8020 http://industrielfarm.com
月〜木11:00am-10:00pm、金11:00am-11:00pm、土10:30am-11:00pm、日10:30am-10:00pm
Mo-chica by Chef Ricardo Zarate
ペルー料理というのは南米の中でも特においしいものが多いということで、近年アメリカでも注目をあびています。USCの近くのすごくシンプルなフードコートにあったこの店は、僕も食べてその味のレベルに驚きました。メニューにはキノットもあります。
予算:〜70
514 W. 7th St., Los Angeles
☎213-622-3774 http://mo-chica.com
日〜木10:30am-11:00pm、金土10:30am-11:00pm
(2014年4月1日掲載)
小さくてもビッグなキノア
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