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中国野菜の「エーサイ」って、知ってますか?A菜と書きます。
 
この野菜をガーリックとともに単純に炒めた料理、「炒A菜」は、僕の大好物のひとつだ。
 
緑野菜で、歯ごたえがシャキシャキっとしていて、軽い食感とすなおな味と香りが気持ちいい。
 
ガーリックと油との相性がすばらしく、葉ッパから出た水分がスープのようになって皿の上に溜まるので、これを白いゴハンにかけるとものすごくうまい。
 
たくさん食べても飽きない。
 
中国野菜にはいろいろあるが、たとえば空芯菜、つまり芯がマカロニのように空洞になった野菜は、ボキボキした芯とヌメヌメした葉ッパの歯ごたえの対比がたのしいのだが、食べてるとポキポキが面倒くさくなってくることがなきにしもあらず。味にもちょっとクセがある。
 
空芯菜は夏の野菜で、冬場にはふつう店においていないのに比べ、A菜はいつでもある。
 
もうひとつ、中国圏でポピュラーな野菜、豆苗というエンドウ豆の若葉は、弾力のある歯ごたえと豆のような香りが個性的でとてもうまいのだが、これは逆に冬の野菜で、しかも値段が高い。ほかの中国野菜の倍くらいする。
 
A菜は安い。
 
辞書をみると、英語ではIndian Lettuce といってレタスの親戚らしい。たしかにあのシャキシャキした食感はレタスのそれに似ている。
 
でもそんな英語名をチャイニーズ・レストランのメニューではみたことがない。
 
そもそも、この野菜はあまりメニューに載っていることがないのだ。
 
「清炒時菜」Stir Fried Season’s Vegitable などと出ていることが多く、それを頼めば、その季節によって先に書いた空芯菜か豆苗、あるいは波菜(法連草)などがあるが、「A 菜はありますか?」と聞けば、台湾・上海系の店ならだいたい一年中ある。
 
どこの店にもあるというわけにはいかないが、広東(香港系)や北方系の店にはまずない。
 
それはそうと、いったいぜんたいなぜA菜などというヘンな名前がついているのだろう?
 
日本のウェブサイトを見てみたら、「高級野菜だから、Aクラスの野菜という意味じゃないの?」とか、「この野菜の束を逆さにして持つとAに見えるから」とまことしやかに書いてあったのには驚いた。逆さに持っている写真まで載せてある。
 
これは高級野菜ではないし、中国人がわざわざ束を逆さにして英語のアルファベットに似てるかどうかなんて考えるとはとても思えない。
 
ある日本の本に、「スターバックスとは星の後ろという意味である」(star backs?) と書いてあったのでビックリしたことがあるが、それを思い出した。
 
台湾に行ったときに聞いたことだが、この野菜はもともと台湾で「仔萵菜」と呼んでいて、「仔萵」が昔の台湾語で「えい」に近い発音をすることから、その漢字を書くよりもAと書いたほうが簡単だから、そう表記するようになったものだそうだ。
 
そもそも中国料理は、野菜をいっぱい食べられるというメリットがある。A菜をたくさん食べれて、ビタミンAをたくさんとりましょう(だからA菜っていうのかな?)
 
LAではココ!「予算」は2人分です
369 Shanghai Place( 三六九小館)
大昔からある上海料理の店ですが、最近シェフが変わったとみえて、ぐっとおいしくなりました。湯麺類(スープヌードル)はスープの味がしっかりしていて麺も舌触りと弾力がよく、すごくおいしいです。いっしょに炒A菜をたのむと、味と栄養のバランスがぐっとよくなりますね。
予算:$30〜50
613 N. Euclid St., Anaheim 
☎714-635-8369 
毎日11:00am-9:30pm 
 
Fine Garden Vegitarian Restaurant(巧園)
チャイニーズのベジタリアン料理というのは、ひとつの立派なジャンルをなしています。イミテーションの肉やサカナ類は物足りないといえなくもないのですが、もともとチャイニーズというのは、おいしい野菜料理がいっぱいあって、それなりの楽しみかたができます。
予算:$30〜50
841 W. Las Tunas Dr., San Gabriel
☎626-282-2282  inegardenvegetarian.com
日〜木11:00am-9:00pm 、 金土11:00-9:30pm 
 
(2014年5月1日掲載)

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