トッピング

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Mr.世界(トッピング)

アメリカのピザ、僕は最近まではほとんど食べることがなかった。
 
アメリカにはおいしいピザが滅多になかったっていうこともあるが、そもそもアメリカのピザはサイズがデカすぎて、見ただけで食欲が失せる。
 
それに加えて、「トッピング」が気に入らない。
 
だってアメリカでは、トッピングがひとつひとつ追加料金になっているのが一般的ですよね。10か20あるリストの中から、ペパロニに何十セントとか、オニオンに何十セントだとか、オリーブにグリーンペッパーなどなど、自分の好みのものをみんなたのんでいたら、値段がどんどん高くなってってしまう。
 
それがくやしい。
 
だから僕としてはせいぜい二種類のトッピングにしておくので、食べてみてモノ足りなく、ますますうまくない。
 
少量のトッピングの原価なんてたかが知れているのに、それで彼らが儲けようとしているという魂胆が見えて、腹が立つのである。
 
イタリアではもちろんそんなことはない。
 
Margherita とかNapolitanaとか、なまえのついたピザに、トッピングがいろいろバランスよく載って、それぞれのコンビネーションを売りものにしている。
 
ところが最近、アメリカにもそういう店が増えてきた。
 
これは非常にいい傾向で、僕もよくピザを食べるようになった。
 
しかも、いろんなトッピングを用意していて、「どれをどれだけ頼んでもタダ」という店もできて、味もさることながらその点が人気を呼んで、いま爆発的に店舗を増やしている。
 
トッピングの追加料金というと、ラーメンもそうですね。
 
追加チャーシューや追加タマあるいはタマゴなんかは原価がかかるからいいとして、ノリを数枚載せて何十セント、ネギをひとつまみやメンマ数本で何十セントとなると、これもちょっと鼻白むわけです。
 
日系のラーメンはもともと味がおいしいから、トッピングは載せなくても満足できるけど。
 
でも、むかし目白のあたりにあったあるラーメン屋さんは、ラーメンそのものもおいしかったが、カウンターにスッたニンニクが容器に入ってたくさんおいてあって使い放題、これが大人気で有名店になり、僕もよく通った。
 
韓国のソルロンタンというスープ料理、これは刻んだネギを大量に投入するのが醍醐味で、どこの店でもテーブルに山のようにネギが入ったボウルが出て来るから、それをいくら入れても、なんだったら全部入れても、追加料金はない。
 
もちろんキムチだっていくら頼んでもタダ。トッピングのようにスープの中に入れて食べる韓国人は多い。
 
ネギやキムチを追加料金にしたら、おそらくあっというまにその店に韓国人の客は来なくなるにちがいない。
 
ハンバーガー屋さんでも、オニオンやピックルズ、トマトやチーズまで自分で取って載せ放題、っていう店、ありますよね。あれ、好きです。
 
ラーメン屋さんもこういうサービスを導入したら、あのピザ屋さんや目白のラーメン店のように、もっとはやるんじゃないだろうか。
 
そのほうが結局はもっと儲かることになるんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう?
 
少なくとも僕は通います。
 
LAではココ!「予算」は2人分です
Pieology
これが本文で紹介したトッピング無制限の店。南カリフォルニアに約20軒、他州にもどんどん広がっているのはトッピングの点プラス、モチモチしたおいしいクレストや、手際よい注文処理で待たされないというのもその理由です。
予算:$20
516 N. State College Blvd., Fullertonほか
☎714-447-4064 http://pieology.com
月〜木11:00am-9:30pm、金土11:00am-10:30pm、日11:00am-9:00pm 
 
Pizzeria Ortica
モチモチした香りのいいクレストがうまい、ホンモノのイタリア風ピザが、それぞれのトッピングコンビネーションで15種類ほどあります。おもしろいのはミラノ風ピザ、ナマタマゴを載せて焼きます(ほんとにミラノではそうします)。前菜やサラダも充実。
予算:$40
650 Anton Blvd., Costa Mesa
☎714-445-4900 http://www.pizzeriaortica.com
月〜土5:00pm-10:00pm 、 日5:00pm-9:00pm
 
(2014年6月1日掲載)

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