「パンにしますか?ライスにしますか?」
日本の洋食屋さんで、ハンバーグでもたのめば、こう聞かれる。
日本におけるパンとライスって、同じ役目を担っているわけですね。つまり「主食」。
主食、それはおなかを一杯にするためのもので、それをおいしく、たくさん食べさせるためにオカズが存在する。
東アジアや中米などのライスは、だいたいそうだ。
でもヨーロッパでのパンの役目は、それとちょっと違う(朝食やサンドイッチじゃなく、レストランでの食事の話です)。
まずはフランス。
その役目の第一は、前にも書いたけど、注文した食事を待っているあいだの手持ち無沙汰を減らすための、マンチーズ。
僕もパリまで長時間のフライトで疲れはて、来なきゃよかったと思うときがある。でもお腹もすき、夕方の街に出て店に入って料理を注文し、すぐ出てくるワインとパン。もうこれだけで「あー、来てよかった!」と思う。
そして料理が出てくると、第二の役割、パレット・クレンザーとなる。つまり口のなかの料理のあと味を消して、次に口に入れる料理がまた改めておいしく感じられるようにする。
白いゴハンにもその役目もあるが、パンの場合は量がずっと少ない。
高級レストランになると、パンがあるとおなかが早く一杯になってしまうのでむしろ邪魔者、前菜が来ると下げられてしまうことが多い。
イタリアもマンチーズの役目が主で、グリッサーニのようなパリパリしたビスケットみたいなパンを食べるだけで、食事が始まるとほとんど食べない。
おもしろいのはスペイン人だ。
かれらは、食事中もよくパンを食べる。
そして、ちぎったパンを左手に持ち、それを使って右手のフォークに食べものを載せるか刺して食べる。
これはかなり理にかなった食べかただ。
アメリカ人が、右手に持ったフォークをお皿にこすりつけながらすくって食べるのにくらべ、ずっと食べやすい。試してみてください。
ドイツのパンはいろいろいな種類があるが、食事のときに食べるのは丸くて固いパンが多い。それをおもむろに取り上げて、ナイフを右手に持ち、ギコギコとのこぎりのようにして上下マッ二つに切り、その片方にベーグルのように水平に噛みつく。
もちろんここに書いたことは、その国のひとならみんながみんなそうするというわけではないが、パリやローマの観光客の多いレストランでそうやって食べているのをみると、おースペイン人だとかドイツ人とか、だいたい見分けがつく。
ところで、皿に残った料理のソースは、パンでぬぐって食べてもいいのでしょうか?
日本の料理マナー教室のようなサイトみると、「よくない」と書いてあるが、僕にいわせれば「いい」と思う。
高級レストランであれば、ソース用のスプーンが出てくるので、それを使って味わう。だから、ソース用のスプーンがでていないような店であればだいたいカジュアルなので、ソースまできれいに食べれば、下げられた皿を見たシェフは、お客が気に入ってくれた、とよろこぶはずです。
LAではココ!「予算」は2人分です
Hostaria Piave
おいしい店の少なかったサウスベイにもこんなにいいイタリアンができました。イカのパスタと、スペシャルのブランツィーノ(シーバス)の姿焼に結構感激。ワインリストも充実しています。店内は明るくシャレていて、パティオも気持ちいい。サービスも良いです。
予算:$30〜60
231 S. Pacific Coast Hwy., Redondo Beach
☎ 310-374-1000 http://hostariapiave.com
月〜木11:30am-2:30pm・5:00pm-10:00pm、金土11:30am-2:30pm・5:00pm-10:30pm、日5:00pm-9:00pm
Comme Ça
ウエストサイドにはフレンチカフェが多くありますが、この店は中でも群を抜いています。シュークルートやムール貝、フリゼーサラダといったカフェ定番メニューがとてもおいしく、フレンチフライは特筆に値します。フレンチワインも各種グラスで飲めます。
予算:$60
8479 Melrose Ave., West Hollywood
☎323-782-1104 www.commecarestaurant.com
月〜木6:00pm-10:00pm 、 金6:00pm-11:00pm、土11:00am-2:30pm・6:00pm-11:00pm、日11:00am-2:30pm
(20141年7月1日掲載)
パンの食べかた
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