「生クリーム」ってなんだろう?ただのクリームとどうちがうの?
英語にはraw cream なんていうものないですよね。
調べてみると、日本では牛乳から作ったホンモノのクリームのことを「生クリーム」と呼んで、植物油から作った、いわばニセモノのクリームと区別しているらしい。
そのニセモノのことは「ホイップクリーム」と呼んでいるらしい。英語のwhippedcream とはまったくちがうものなわけで、いつもながら和製英語は困ったものです。
それはさておき、フランスでおいしい料理をたらふく食べたあと、デザートはシンプルなものがいい、ということがある。
そういうときには僕はよく、des fraises avec chantillyをたのむ。イチゴとホイップした生クリームだ。
メニューにはまず載っていないが、いままで頼んでみて「ありません」と言われたことは一度もない。
フランスのイチゴは世界トップクラス。そしてクリームがこれまたトップクラスときている。これでとても軽くて満足できるデザートとなる。
それから、ケーキ屋さん。
意外に思われるかもしれないが、ヨーロッパのケーキは、フランスよりもドイツやオーストリアのほうがおいしいと僕は思う。
だいたい喫茶店形式になっていて、店頭で選んだケーキを、ラウンジでコーヒーや紅茶とともにゆっくりと楽しめる。
そしてポイントは、どのケーキをたのんでも、ホイップしたクリームSahne がサイドに出てくる。だまって出てこなければ、たのめば必ず持ってきてくれる。
スポンジケーキやクラストの乾いた舌触りと、クリームの湿ったなめらかさがハーモニーをかもしだす。
ケーキのしっかりした甘さに、クリームのほんのり淡い甘さがバランス。
いや、わざわざヨーロッパまで行かなくてもいい。アメリカでも味わえる。
まずケーキそのものは、日本人なら衆目一致するように、アメリカの一般的なケーキって食べられたもんじゃないですよね。色ばかりドクドクしくて狂ったように甘くて、クリームもニセモノだ。
日本人のやっているケーキ屋さんならおいしいのだが、そこらじゅうにあるというわけにはいかない。
そこで、自分でホンモノのクリームを作りましょう。
クリームやデコレーションのついていない、すなおなチョコレートケーキやロールケーキを買ってくる。
マーケットでWhipping Cream(ホイップクリームではありません)を買ってくる。
冷蔵庫でしっかり冷やしてボールにあけ、バニラエッセンスを数滴たらす。
砂糖はごく少量。半パイントのクリームに対して、茶さじ一杯くらいですかね。
さらに僕は、茶さじ二杯程度の溶かしバターを入れる。それも、Kerrygold というブランドのアイルランド産のバター。これはありがたいことに最近あちこちで売っていて、風味がすばらしく、クリームの香りも引き立てる。
そして泡立てる。
これぞホンモノのホイップドクリーム、どんなケーキでも引き立てますよ。イチゴや桃などの果物にもよくあうし、コーヒーに入れてウィンナコーヒーもいいです!
LAではココ!「予算」は2人分です
Cream Pan
オレンジ・カウンティーで大人気の日系パン屋兼ケーキ屋さん。パンという日本語のローマ字表記がかわいいですね(スペイン語と同じですが)。パン類は朝焼いたものがなくなるとその日はおしまい。この店のタルトなんかをホイップクリームといっしょに食べたら最高ですよ。
予算:$15
602 El Camino Real, Tustin
☎ 714-665-8239
www.creampanbakery.com
毎日6:00am-7:00pm
Chantilly
サウスベイで人気の日系ケーキとクッキーの店。その名もChantillyつまりフランス語のホイップクリームです。「chateau chantilly」などの生クリームを使ったケーキがとてもおいしく、日本人らしい繊細さで見た目にも美しく、甘過ぎないケーキ類はさすがです。
予算:$15
2383 Lomita Blvd. #104, Lomita
☎ 310-257-9454
www.patisseriechantilly.com
月11:00am-6:00pm 、 水〜日11:00am-7:00pm
(2014年8月1日掲載)
生クリームで広がる世界
「ミスター世界の食文化紀行」のコンテンツ
- クジラはなぜ食べてはいけないのか?
- トロピカルフルーツ
- BFV(バックグラウンドビジュアルズ)
- これでトーストがうまくなる(かな?)
- これぞエキゾワイン
- チャイニーズ攻略法 その②
- チャイニーズ攻略法 その①
- 黒いって健康的
- チキンスープを飲みなさい
- ジャガイモだってあなどれない
- カズチャンのカボチャ
- シッポの味
- 音の味わい
- Simple is the Best
- 究極のジントニック
- ウクライナで食べたいな
- ハチャメチャじゃない、ハチャプリ
- づくしの世界
- パンの食べかた
- 韓国のうどんたち
- トッピング
- なぜロゼ?
- えいさい教育
- いろとりどりなぢどり
- 小さくてもビッグなキノア
- ホンモノイタリアンのみつけかた
- ナマのおさかな
- ワインの飛行
- LAレストラン・シーン
- つらくてうれしい300回
- 音楽は料理をおいしくする
- ニシンの子
- フワフワのカルチョッフォ
- ソターンの色
- ワインのいろもいろいろ?
- ちょっぴー(り)のイタリアン
- モロッコ料理はフランス料理
- ベルギーが一番
- レモンあちらこちら
- 温度の味
- ボケとオタンコのオーバージーン
- バフェーに目移り
- 誘惑のドーナツ
- コーシャーの真理
- エビみその旨味
- 忘れられないサーモンの味
- クレンザー食べたい
- アメリカ家庭料理の代表、ミートローフ
- バカにできないノンアルコール飲料
- ミルクったっていろいろ