今年もハロウィーンが過ぎ、カボチャ売りたちも街から消えていった。
突然ですが、僕のなまえは『正和』です。
兄弟のなまえにもにも『正』がつくので、子供のころ、『カズちゃん』と呼ばれていた。
あるときカボチャを食べていたら、だれかに「カズちゃんがカボチャ食べてる!」と笑われた。
ちょっと音が似てるだけなのにからかわれ、傷つけられ、「二度とカボチャなんか食べるものか!」と決めた。
じつは『カズノコ』についても同じような経験があり、これにも傷ついた。
そう、こう見えてもなかなか繊細なコドモだったのです。
ところが、大人になってから、恐る恐るカボチャを食べてみたら、すごくおいしいではないですか。
即座に好きになりました。
で、『カボチャ』って、もうひとつなにかに音が似ていると思いませんか。
そう、カンボジア。
カボチャの原産地は南米だが、日本に入ってきたのは、ポルトガル人がカンボジアを経由してもたらしたものなのだそうだ。
ポルトガル語で、Cambojaabóbora (カンボジャ・アボボラ)、つまり『カンボジアのスクアッシュ』という。
その国名のほうが、この食材の名称として日本に定着してしまったわけだ。
九州などでは、逆にabóbora のほうが残って、カボチャのことを『ボボラ』ということもあるというから面白い。
で、ハロウィーンでカボチャ、と書いたのだが、じつはカボチャとアメリカのパンプキンはちがうものだ。
パンプキンはオレンジ色でカボチャの外皮は緑色。ハロウィーンに緑色のカボチャを持ってきてもサマになりませんね。
カボチャの味はまろやかで繊細、料理に向いているけど、パンプキンは甘くて、パイなどのデザートによく使われる。
この何年かまえからアメリカのレストランでもカボチャが食材としてよく使われるようになった。そのほうがつけあわせの野菜としておいしいからだ。
メニューにもKabocha として日本語のまま使われている。ピューレとしても使われるし、チーズとあえてパスタのソースとしてもとても洗練されたものになる。クリーミーでナッツを思わせる香りが初めてトライした人をとりこにするようだ。
天ぷらで薄く切ったカボチャって、すごくおいしいですよね。
煮つけもうまい。
醤油とカボチャのほんのりした甘さのバランスがいい。
カボチャのスープは、僕のいちばん好きなスープのひとつだ。
それはそうと、カンボジアではカボチャは食べるのでしょうか?
僕がカンボジアに行ったときには食べたかどうか覚えていないが、カンボジア人の友だちに聞いてみたら、とてもポピュラーな食材だそうだ。
デザートとして有名なのがココナツミルクや椰子砂糖と米粉と混ぜてバナナの葉でつつんだ伝統的なNom La Pov。これはパンプキンのほうだ。
料理に使うのはやはりカボチャのほうで、炒めものや、スープにして、特に田舎でとてもポピュラーな食材だ。
LAではココ!「予算」は2人分です
Hatfield’s
LAでは数少ないミシュラン一つ星を獲得したフレンチレストラン。料理がとても洗練されていて、僕もLAで最も好きな店のひとつです。Prix Fixメニューが中心で、カボチャを使った料理もあります。
予算:約$100
6703 Melrose Ave., Los Angeles
☎ 323-935-2977 http://hatfieldsrestaurant.com
火〜木6:00pm-10:00pm、金6:00pm-10:30pm、土5:30pm-10:30pm、日5:30pm-9:30pm 月closed
Siem Reap
シエムレアプというのは、クメールワットのある街。LAのカンボジアコミュニティーはロングビーチにあって、多くのレストランがありますが、ここはその中でも有名店。デザートにパンプキンケーキがあります。
予算:$20〜60
1810 E. Anaheim St., Long Beach
☎ 562-591-7414 siemreapkhmercuisine.com
日月水木10:00am-9:00pm、金土10:00am-10:00pm、火 closed
(2014年11月16日掲載)