黒いって健康的

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Mr.世界(黒いって健康的)

明けましておめでとうございます。
新年といえば、New Year’sResolution。みなさんのことしの決意は何ですか?
僕は「おいしいものをたくさん食べよう」。毎年同じですが。
とはいえ、できるだけ健康的なものを食べるように心がけなくては、長いあいだおいしいものを食べることができない。
じつは数年前、僕はそのことにはっと気がついて、ダイエットをし、30ポンド近く減量することに成功した。
その一番のポイントは、炭水化物を減らしたこと。とくに白米や白いパンだ。そのかわり、ゴハンは玄米、パンはウィート・ブレッドにした。
しかし、玄米のほうは、いまだに好きになれない。やはり日本食には、ホカホ
カの白いゴハン、これが最高ですね。玄米のガサガサした舌触りにいまだになじめないし、あの香りは日本食のオカズ、たとえば納豆と食べたいとはどうしても思えない。
 
ところが、です。
パンは違う。茶色いウィートやホールウィートのパンは、香りがよく、バターやチーズ、肉類によくあうと思う。
チキンサンドイッチでもエッグサラダサンドイッチでも。
トーストだって、すこーし焦げ目のついたウィートブレッドにバターをしっかりぬって食べればとてもうまい。
クロワッサンでさえも、フランスにはホールウィートのものがある。
これがうまいんですね。
色がだいぶ黒っぽくて、僕としてはこれこそホンモノのクロワッサン、いままで食べていた普通のやつはシロワッサンと呼びたい。
もちろんクロワッサンはシロワッサンと同じく、外はサクッ、中はフワッとして、しかも小麦の香りがよりふくよかで、バターをたっぷりつけて、ジャムをちょっとつけて食べると、「パンを食べてる!」という喜びがある。
 
これと似たようなことを、北京ダックでも経験したことがある。
アメリカでもそうだが、僕がそれまでよく食べていた北京ダックというのは香港スタイルで、中華饅頭とおなじ白く精製された小麦のフワフワしたパンのような包(バオ)で、はさんで食べる。
ところがはじめて北京に行った何十年かまえ、いまでこそ世界的に有名になった全聚徳という北京ダックの専門店は、当時はまだすごく庶民的な店で、素朴な店内にはピクニック場にあるような木の長テーブルとベンチが並べられ、そこで地味~な服装の中国人が、みんな北京ダックを食べていた。
そこで僕も注文して、出てきた北京ダック、それよりもそれを包む皮のほうに感心した。黒いんですね。
黒いというか濃い茶色というか。
これがうまい。精製されていないからこそ、ダックと味噌とネギとよくブレンドして、非常にうまい。
北京式は広東式とちがい、皮が薄いクレープ状で、それでもって肉もちゃんとついたダックを、ブリートのようにして巻いて食べる。
まあ、健康的かどうかは、脂身たっぷりのダックをたくさん食べたらどうなるのかはよくわからないが、エンジョイして食べることこそ健康食の秘訣――ということに僕は決めています。
 
LAではココ!「予算」は2人分です
Tasty Duck( 金鴨子餐廳)
LAには数少ない北京風北京ダックの店。ここのダックを包む皮は、文中の北京の店ほどではないのですが、少し色黒でいい香りです。北京ダックを含むコース料理が内容が豪華で、とても楽しめます。
予算:$20〜60
1039 E. Valley Blvd. Suite B102, San Gabriel
☎ 626-572-3885 
毎日11:00am-10:00pm 
 
La Monarca Bakery( Hollywood)
じつは、LAにもホールウィートのクロワッサンを売っている店が、少数ですがあるのです。ここはそのひとつで、さまなパンや甘いパン、クッキー、ケーキ、そしてメキシコ系サラダやサンドイッチなどが豊富にあります。
予算:$10〜20
6091 Sunset Blvd., Los Angeles
☎ 323-463-0933 www.lamonarcabakery.com
月〜水6:00am-9:00pm、木金6:00am-10:00pm、土7:00am-10:00pm、 日7:00am-9:00pm
 
(2015年1月1日掲載)

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