前号にも書いたように、今年の年末年始は西アフリカで過ごした。
正月は、パリ・ダカール・ラリーで有名な(今年は突然中止になってしまったが)、セネガルのダカールだった。
「へー、セネガルに行ったんですか。
で、なにがいちばん印象的でしたか?」と、帰ってからよく聞かれる。
その答えは簡単である。
美人が多い。
驚いた。
ブラック・アフリカは今回で10カ国を超えたが、こんなに美人が多い国はいない。
アメリカにいるアフリカ系の人とはぜんぜんちがう真っ黒でツヤのある肌に真っ白な歯と白目のコントラスト、目鼻だちが整っていて、スタイルもすばらしいところへもってきて、髪や化粧にも気を使い、服装が非常にカラフルだ。
ドキッとする美人からカワイイ可憐な女性、笑顔のすてきな人…。
街ははっきりいって清潔や整頓とは程遠い。
ゴミがそこら中に撒き散らされているし、うっかり歩いていると壊れた下水道からナマの汚水があふれてきて足を突っ込んでしまう。
その中を蝶が舞うかのようにヒラヒラと美しい女性が歩いているのには、毎日みとれていた。
さて、そのはなしはいいかげんにして、食べものについて書かなくっちゃね。
この国はフランスの植民地時代が長かったから、いろいろな面でフランスの影響が強い。
ということはとりもなおさずパンがうまい。
特に朝食、クロワッサンをはじめとするいろいろな焼きたてパンやカフェオレは、僕としてはたいへんありがたいことなのである。
もちろん昼や夜にもフランス料理は食べられるし、けっこううまい。
しかし僕にとって、いちばんの興味の対象は、やはり現地の人たちの食事、つまりセネガル料理であった。
セネガルを代表する料理は、三つに絞られるとみた。
Poulet Yassa=チキンをレモンと酢で煮込み、タマネギのソテーを和える。
モロッコ料理を知っている人ならタジーヌ・チキンを知っているだろうが、あれと似ている。
ちがうのは白いご飯といっしょに食べることだ。
非常にうまい。
この料理はすべてのレストランにあると言っても過言ではない。
店によってはPoisson Yassaという、魚バージョンもある。
Thiboudieunne=魚と野菜の煮込み。
魚醤のようなかなり強い魚のフレーバーがある。
付合せのご飯も同じ味で炊き込んであって、味としては渾然一体だ。
Maf=ピーナツをペースト状にして、羊の肉などを野菜といっしょに煮込み、白いご飯の上にかけて食べる、いわばピーナツカレー。
これは他の国の料理では味わったことのない、独特の味わいとうまさがあった。
そのほか、なぜかアフリカはどこもそうだが、ラムがおいしい。
特にBandia動物保護区の野外レストランで食べたラムのバーベキューは、当分忘れられないだろう、というくらいうまかった。
やっぱりどこへ行っても食べ歩きは楽しいですね。
(2008年2月16日号掲載)
驚きのセネガル
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