デスバレーが国立公園に認定されたのは1994年。アラスカを除く49州で最大の国立公園だ。酷暑で知られるデスバレーだが、夏の平均気温は華氏100度以上、これまでの最高気温は1913年にファーネスクリーク(MAP 1)で記録した華氏134度(摂氏57度)で、当時の世界記録だった。またここは海抜マイナス282フィートと東半球で最も海抜が低い地域でもあり、世界で7番目の低さ。年間平均雨量は1.96インチで、北アメリカで最も乾燥した土地でもある。
デスバレーの発見は1849年でゴールドラッシュの副産物と言える。フォーティー・ナイナーズと呼ばれる、ハイシエラ山脈で発見されたゴールドを求めてやってきたパイオニアたちは、冬の越山を避けるため、シエラ山脈南部を通るルートを取った。ジェファーソン・ハント隊長率いる120台の幌馬車団のうち、約20台は砂漠を通る近道を選んだ。デスバレーを辛うじて生き延びたのはこの人たちだ。12月だったため吹雪に遭い、これが水源となった。全員が途中でボロボロの幌馬車を捨てて残りの行程を歩いたが、亡くなったのは意外にも高齢者1人だけ。一団がようやく砂漠を抜け出た時、1人が後ろを振り返り「グッバイ、デスバレー」と言ったことからこの名前が付いた。
最も暗い国立公園。星空ウォッチングに最適
太古には浅い海だったため、海抜282フィートにあるバッドウォーター(MAP 2
)には塩の層がある。サボテンのようにトゲトゲになった塩の塊は、塩が乾燥して角が尖ってできたものだ。「観光バスは入れないので、自家用車の人にぜひ行ってほしい場所がダンテズビュー(MAP 3)とアーティストパレット(MAP 4)です。アーティストパレットは、マグマなどの成分によって山肌にいろいろな色が付き、まるで画家のパレットのようです」。
ダンテズビューからは、標高1万1千フィートのテレスコープピークやバッドウォーターまでが一望できる。11月から4月のシーズン期間は空気が澄んでいるため、夜は満天の星空が楽しめる。国立公園局によると、デスバレーは国立公園の中で最も暗い、言い換えると人工灯が少ない公園だとか。そのため天文観察家が多く訪れる。
「星空ウォッチングは、ぜひオススメ。私はいつもホテルから5、6分歩いた道路脇に寝転がって見ます。詳しい場所が知りたい方は連絡してください」(岩澤さん)。
日の出を見るなら、渓谷が日の出と共に刻々と色を変えるザブリスキーポイント(MAP 5)、夕日はサンドデューン(MAP 6)が見応えあるとか。
宿泊先はストーブパイプウェルズ・ビレッジ(Stovepipe Wells Village(760-786-2387)(MAP 7)がオススメ。宿泊費も比較的お手頃で、岩澤さんが星空ウォッチングに出かけるのもこのホテルから。高級ロッジとして、通常10月以降冬季だけオープンするファーネスクリーク・イン(Furnace Creek Inn:760-786-2345・www.furnacecreekresort.com)(MAP 1)がある。
デスバレージャンクションより西30マイル、ストーブパイプウェルズ・ビレッジより北西24マイル。
☎ 760-786-3200
www.nps.gov/deva/index.htm
● 面積:337万2402 エーカー
● 年間訪園者数:73万8522人(2004年)
● アクセス:LAから約400マイル、車で約7時間。15号線をベイカーで127号線北行きに。Shoshoneで178号線に乗ると公園内に入る
● オープン時間:通年。Furnace Creek VisitorCenter & Museum(通年:8:00am-5:00pm・760-786-3200)。
● 入場料:車1台につき10ドル(7日間有効)、車でない場合は1人につき5ドル(7日間有効)
Scotty’s Castle Visitor Center and Museum
( 通年:8:30am-5:30pm・760-786-2392)
ストーブパイプウェルズ・ビレッジより45マイル、ファーネスクリークより53マイル