国立公園ではないが、西部大自然の旅にぜひ加えたいのがモニュメントバレーだ。雄大な赤い土地に広がる不毛地帯は、アメリカ西部を最も感じることができる場所と言えるだろう。ユタ州とアリゾナ州の境界線が走る全米最大のネイティブアメリカンの居住地(ナバホネーション)にあり、独立した自治体になっている。
モニュメントバレーはいわゆる谷ではなく、メサやビュートと呼ばれる台地状、あるいは円筒形の地層が点在する広大な平地。幹線道路からもメサやビュートを見ることができるが、映画などで記憶にある景色は、モニュメントバレー・ナバホトライバルパーク内にある。パーク内は土地がもろく舗装されておらず、一般車は入れない場所が多いので、ぜひ現地ツアーに参加したい。
「ホーガンと呼ばれるネイティブアメリカンの家も見せてくれるので、値打ちがあるツアーです。ツアーに参加しないとモニュメントバレーの良さを堪能することは難しいでしょう」と岩澤さん。
映画でおなじみの名所が目白押し
人間が誕生する前は入り江だったが、山が侵食されてたまった地層が土地の隆起と共に盛り上がってできた台地が、5千万年かけて風や雨で浸食され、独特の地形を造った。台形状のメサが、さらに侵食されてできたのが円筒形のビュート。高いビュートになると千フィートに達する。
ナバホ族運営のグールディングロッジ(MAP1)は、モニュメントバレー唯一のホテル。1923年、初の交易所として設立され、その2階に住んでいたのがハリーとマイク・グールディング夫妻で、西部劇の撮影場所を探していたジョン・フォード監督にこの地を紹介した人物でもある。以来、フォード監督はジョン・ウェイン主演で『駅馬車』など数多くの名作をここで撮影した。他にもクリント・イーストウッド主演の『アイガーサンクション』、マイケル・J・フォックス主演の『バック・トゥー・ザ・フゥーチャー3』などでもロケ地として使われている。
グールディングロッジは、ほとんどの部屋からビュートやメサを正面に捉えることができる最高のロケーションで、ツアーも当ロッジから出ているものがオススメ。グールディングロッジの予約が取れない場合は、パーク近隣やモニュメントバレーから約2時間のところにあるペイジの街で1泊すると良いだろう。
Monument Valley Visitor Center
P.O. Box 360289, Monument Valley, UT 84536
☎ 435-727-5874
Goulding’s Lodge and Tours
P.O. Box 360001, Monument Valley, UT 84536
☎ 435-727-3231
www.gouldings.com
Navajo Parks and Recreation Department
P.O. Box 308, Window Rock, AZ 86515
www.navajonationparks.org/
● アクセス:幹線道路は163 号線のみ。アリゾナ州のカエンタの北24マイル、ユタ州のメキシカンハットの南西22 マイル
● オープン時間:通年(クリスマスとサンクスギビングを除く)。7:00am-7:00pm(5~10月)・8:00am-5:00pm(11~4 月)
● 入場料:1人につき5ドル(ツアー料金別)