エマ・ストーン / Emma Stone

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努力と繊細な感性でオスカー獲得!

成田陽子さんとエマ・ストーン

今年のオスカーで主演女優賞を受賞したエマ・ストーンは、受賞作『La La Land』で演じた女優志願のミアと変わらないくらいの努力と執念で、ここまで前進して来た女優である。
 
「『生まれた時から演技していた!』と母に言われるほど演技をすることは自分にとって自然で、小学生の時から色んな劇で主役を演じてきました。そして、15歳でアリゾナからハリウッドに来てからは、がむしゃらにオーディションを受けて、役を獲得してきたんです。でも、もともとはものすごくシャイで外出が嫌い、という面もあって…。それを克服するには、演技するのが良い、と子どもながらに思ったわけです」。
 
…と、大きな目を剥いて喋るエマに最初に感心したのは『Easy A』(2010/邦題:『小悪魔はなぜモテる?!』)の会見後の夕食会において。ピンクのドレスを着て愛嬌たっぷりに記者たちのテーブルを回り、「どう?おいしい?これからもよろしくね!」と懸命に自己PRに努める姿に、既に芸能界の厳しさを知る新人の、切なさと痛々しさが感じられた。

エマ・ストーン

2016年、ヴェネツィア国際映画祭でのエマ。ここでも『La La Land』のミア役で主演女優賞を獲得した。

『Spider-Man』シリーズでぐんと人気が上がり、共演のアンドリュー・ガーフィールドと実生活でもロマンスが展開した頃になるとガードが固くなった(お決まりのコース)。そして、「映画以外のことは喋りたくない」一辺倒となったが、15年に破局を迎えると再びおしゃべりなエマに戻った。それからは、ブロードウェイの舞台に出たり、映画での役作りもどんどん大人びたものになったりと、「恋愛は女優のコヤシ」を地でいくかのようだった。
 
ずっと付き添って来た母親が乳ガンになり、2年後に完治した際、母が大好きな『Black Bird』を歌ったポール・マッカートニーに勇気を出して手紙を書いたんです。ガンを克服した母と私が彫るタトゥーのデザインのために、2羽の小鳥の脚のスケッチを送ってくださいって。そうしたら、何と本当に彼からスケッチが送られてきて。母と私はそのスケッチを元に、手首におそろいのタトゥーを彫ってもらいました。私たちの大事な記念です」と、限りなく幸せそうに話してくれたのを思い出す。
 
彼女のそう言った繊細な感性が役からしみ出た結果、晴れてオスカー受賞となったに違いないと私は考えるのですが。

 

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

 

(2017年4月16日号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2017年4月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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