(2019年6月16日号掲載)
『Catch-22』では制作、監督、出演とマルチに活躍
すっかりロマンスグレーになり、おヒゲでハンサム度もアップのジョージ・クルーニーも、この5月で58歳。今回は彼が制作、監督、出演しているミニテレビシリーズ『Catch-22(原題)』でインタビュー。
「原作(1961年出版)を高校時代に読んだ時は反戦ドラマだと思い、最初にテレビ化の話がきた時は断った。しかし『待てよ』と脚本を読んでみたら、素晴らしいじゃないか! 喜劇的要素もたっぷりで、一緒にビールでも飲みたくなるような登場人物たちをしっかり描き、戦時下の混乱もうまく風刺していたから、現代に通じるシリーズにしたいと思ったんだ。
最初は主演もしようと思ったのだが、余裕がなくなると監督がおろそかになりそうだと自粛し、シャイスコフという大佐の役を演じることにした。まず名前が気に入ったからね(ドイツ語で”クソ野郎”という意味)。
ロケ先のサルディーニャ島はのんびりとしていて昔風な人が多く、すっかり第2次大戦最中の雰囲気が盛り上がった。撮影中にバイク事故を起こして騒がれてしまい、妻からは『もう絶対にバイクは駄目』と禁止令が下るというちょっと悲劇もあったが、食べ物はうまいし、暑ければすぐ紺碧の海にドボンと飛び込めるし、クルーたちとの連帯感も強くなった。
双子の子供達は2歳になって目が離せない。今朝も3時に娘の方がぐずり出し、自分のベッドに連れてきて何とか寝かしつけた。しかし端っこに寝ているから落ちたら大変と、ベッドの下に枕や毛布を重ねて落ちても大丈夫なようにして、僕はソファに寝る始末。でも、世界で一番愛する女性を妻とし、この歳で子どもができて、僕は本当に幸運だとつくづく思う。
僕の反体制的な政治的発言に加えて妻(社会派の弁護士)は目下ISISと法廷で戦っているから、敵が多いのは覚悟している。ホテルや行き先の場所を前もって安全かどうか調べたりする注意は怠らない。ただ、こういう時勢だからこそ、警戒するあまりにどこにも行かない、というのは負けの姿勢だと思う。だから自由にどこにでも行き、思うような成果が出なくとも、人間の平等性、移民問題などに対して熱意を込めて戦い続けていくよ」。
まもなく『Studio』という90年代の映画界の内幕を描いた映画に主演するそうだ。
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