ジェニファー・アニストン / Jennifer Aniston

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(2020年8月16日号掲載)

退屈な女優から一皮むけた!?

ジェニファー・アニストンと成田陽子さん

アメリカで最も人気がある女優の1人で、稼ぎでもトップクラス(2017年、資産2億ドル、年収2550万ドル※『Forbes』誌より)のジェニファー・アニストンも、今年の2月で51歳。整形外科に来る女性が「このボディーにして!」と注文する目標のナンバーワン(顔は別)もアニストンだ。世界中が注目したブラピとの離婚(2005)を経て15年にジャスティン・セローと再婚したが、ジャスティンが口さがない世間のブラピとの比較に参って(…と、アウトサイダーはうがって見ている)、たった3年での離婚となった。
 
1995年頃、初めて彼女にインタビューしたのだが、TVシリーズ『Friends』のレイチェル役をそのまま演じているようで、キュートにしてカマトト、何も実のある返答がなかった。この役を得るために30ポンド減量したことについて聞くと、ただ肩をすくめるだけだったが、後にぽちゃぽちゃ時代の写真は全て門外不出と聞いて納得。その後、約10回ほど主要作品ごとに会見を重ねてきたが、当たり障りのないコメントばかりするのは毎度同じ。まさに「隣のかわいいお姉さん」の域を出ない退屈な内容ばかりだった。

ジェニファー・アニストン

朝の人気ニュース番組の裏側を描いたヒューマンドラマ、『The Morning Show』で女性司会者役を演じるジェニファー(右)。

最新インタビューは、TVシリーズ『The Morning Show』(2019〜)の時。鼻っ柱の強さで知られるリース・ウィザースプーンと共演、さらに共同制作もしたせいか、情熱的に激しく誇りに満ちた表情で、「”Me Too”運動が結果的にドラマの背景になって時代性が強まった」と話してくれた。
 
「芸能界はどこもカットスロートの世界、生き残るためには相手の首を斬るほどのたくましい精神力が必要。私もこの15年で自分のために戦わなくては、という力が付いてきた。顕微鏡で一挙一動を見られているようなネット社会で、いかに自分を守るか、ゴシップを無視して心の平和を維持するか、そういうテクニックに長けてきたわね。若い時はすぐにカッときたものだったけど。でも、ネットなどなかった時代が懐かしい。SNSなどないシンプルな時代が。
 
実際のセクハラは受けたことないけれど、昔はそれなりに男性に譲っていたわね。今は自信と信念を持って堂々と戦うわ。と言うより、向こうがもう寄ってこないと言った方が良いかもね」と、堂々のパワースマイルを見せてくれた。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2020年8月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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