(2019年11月16日号掲載)
28年ぶりのターミネーター出演!
「もちろん、すぐに返事はしなかったわ。深く考えて、よし、2度とないチャンスだろうから、63歳の女優でもアクションの主役がやれると世の中に見せてやろう、と決心したのよ」。
新作『Terminator: Dark Fate』で白髪を振り乱してグランマパワーを見せつけるリンダ・ハミルトン。最後の『Terminator 2: Judgment Day』から28年ぶりの出演である。その間、同シリーズ1、2の監督ジェームズ・キャメロンと離婚し(ハリウッド史に残る5000万ドルの慰謝料を受けた!)、マリブの豪邸を離れて2人の子どもと東部の農家に移り、5年前からはニューオーリンズに住んでいるというリンダは、ブロンドのショートヘアーにベージュのドレス、同色のブーツというシックなスタイルで会見に現れた。
「肉体改造から始めたものの、昔のようにスピードもパワーもないと悟って。じゃあ、体を滑らかに動かすことでベテランの余裕を見せよう、とトレーナーと相談してのエクササイズの毎日はこたえたわね。その昔は私の筋肉美、特に二の腕に魅了されてジムに通う女性が大勢いたのよ(笑)。今でこそワンダーウーマンやキャプテン・マーベルが悪人たちと互角に戦っているけど、私の時代は男優ばかり。素晴らしい時代になったものよね。この映画でも、2人の若い女性が次のリーダーになるプロットを見せているでしょう。
アーノルド(・シュワルガー)に最後に会ったのは州知事の就任式の時。とても忙しそうだったけど、そばに来てしっかりとハグしてくれて、変わらない同志愛を見せてくれたのよ。今回、私の参加を一番喜んでくれたのが彼だったけれど、同時にすごく心配していたようで、現場ではまるで兄貴のように気を遣っていたみたい。ああ見えて細かいことに気が付くのは、やはり政治家として必要な人格なのでしょうね。
ニューオーリンズではお隣同士の付き合いが上辺だけでなくて、『忙しいから今度ね』なんて西海岸のような嘘っぽいことは言わないの。自分の時間をたっぷり持って、それを上手に楽しく使う人ばかり。私もペットのアナトリアン・シェパード、チワワと読書三昧の毎日を送っているわ」と、にこやかに笑うリンダから、信念を貫く毅然とした人となりが感じられた。
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