ニコール・キッドマン / Nicole Kidman

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(2020年4月16日号掲載)

ハッピーで責任感の強いベテラン女優

ニコール・キッドマンと成田陽子さん

ニコール・キッドマンのインタビューは、新テレビシリーズ『The Undoing』の放映スタートに合わせて行ったものが最新なのだが、新型コロナウイルスの影響で延期。ヒュー・グラントが夫役のスリラーで面白そうなのだが、残念ながらまだ書いてはダメというお達しが。というわけで、これまでのニコールとのインタビューを、いくつか抜粋してご紹介したい。
 
初めて会ったのは『Days of Thunder』(1990)で、その後、ハズバンドとなるトム・クルーズと初共演した時であった。
 
「トムの大ファンだったから興奮してしまって、何を喋ったかなんて何も覚えてないわ! トムは優しくて細かいことまで気を遣ってくれて感謝、感激の毎日だった」と、長い栗色のカーリーヘアを揺らしながら、健気に、恥ずかしそうに話していたのが懐かしい!
 
責任感が強く、主演作品のPRとなると会見、レセプション、チャリティー、授賞式など多くのイベントに出席。また、夫君の歌手、キース・アーバンのコンサートには皆勤賞並みに出席するので、今まで30回以上もインタビューしている。

ニコール・キッドマン

テレビ局Fox Newsで起きたセクハラ事件を描いた『Bombshell』で、実在するキャスター、グレッチェン・カールソンを演じたニコール。

2019年公開の映画、『Bombshell』ではうれしそうにこんなことを話してくれた。
 
「私はね、毎朝、すっごくご機嫌で目を覚ますのよ! キースがいつも感嘆して、『ダーリン、このことを皆に話したら良いと思うよ』って言うから今話してるの。家では家族全員で即興の音楽会を開いて、私は踊ったり、たまに歌ったり。ナッシュビルに住んでいるからミュージシャンが多くて、呼べばすぐに参加してくれて、クールな即興のコンサートが始まるの。
 
映画の中で主演の3人がエレベーターに乗っている場面があるでしょう。ポスターにも使われているけれど、この映画で3人が揃ったシーンはここだけ。演劇を学んだ時にセリフなしで感情を表すことこそ極上の演技技法と言われたけれど、この場面ではまさに無言で各自の想いを見せている。シャリーズ(・セロン)もマーゴット(・ロビー)も最高の演技力の持ち主だからこそ、この雰囲気が出せたのよ。沈黙の中で3人の叫び声が聞こえてくるような、パワフルな場面だったと思わない?」。
 
ニコールの有り余る才能とハッピーな人となりが、少しでもお分かりいただければ幸いである。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2020年4月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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