オプラ・ウィンフリー / Oprah Winfrey

ライトハウス電子版アプリ、始めました

(2022年12月16日号掲載)

アメリカン・ドリームのシンボル的女性

オプラ・ウィンフリーと成田陽子さん

大統領候補にも名の上がるアメリカのシンボル、オプラ・ウィンフリーには8回ほど会っているが、眼力、明瞭な話し方、人を引き込む包容力、鋭い頭の回転、ユーモアなど、いつもそのカリスマ性には圧倒される。
 
1954年1月29日、ミシシッピ州に生まれて母親一人で育てられたオプラ。貧乏のどん底で、ジャガイモ袋で作った服を着て学校に通ってはいじめられ、9歳で親類や隣人に性的暴行を受け、14歳で妊娠し、早産で赤ん坊を失った。しかし17歳でミス・ブラック・テネシーに選ばれると、ローカルテレビ局のニュース番組で活躍。その後、全米放送の自身のトーク番組が大成功し、32歳でミリオネアに。「メディアの女王」として君臨し、今では20世紀以降最も金持ちの黒人女性(所有資産は推定3ビリオンドル)となった。
 
以前、「セレブと普通の人の違いは、より多くの人が知っているのがセレブ。人を助けたかったら、自分が与えられた力を人に共有すると自分が向上した気分になる。それで、さらに多くの人と共有するようになって、多くの人々の気分が改善されていく。これを積み重ねれば、一人のセレブ以上のパワーにつながるはず。

オプラ・ウィンフリー

1965年、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアらに先導されて起こったアラバマ州セルマでの大行進を題材にした『Selma』ではプロデューサーを務めたほか、自身も出演。

随分昔、バーバラ・ウォルターズに、『著名人にインタビューする時は、自分の知性をひけらかさず相手に共感すること、自分の本能に耳を澄ませながら相手の目的をかなえられるように進めていくことが大事』と忠告されて、それが自分の仕事にとても役立ったの」と話してくれたオプラ。自分の言葉に酔ったように心地良い言葉を並べるので、後でインタビューを読み直すとちと「?」となることも多いのだが、それもご愛嬌(笑)。
 
女優としては、映画初出演の『The Color Purple』(1985)でオスカー助演女優賞候補に。その後も、『The Butler』(2013)では8人の大統領に支えた執事の妻役を、『Selma』(2014)ではキング牧師を支持した市民権運動家役を熱演している。
 
目下、1983年にシャーリー・マクレーンがオスカー主演女優賞を受賞した『Terms of Endearment』のリメーク企画を推進中で、何と、マクレーンが演じた主役のオーロラを演じるという。エネルギッシュな挑戦を続けるオプラに、エールを投げかけよう。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2022年12月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

「成田陽子が行く!ハリウッドスタァ取材日記」のコンテンツ