(2019年2月16日号掲載)
フレディー・マーキュリー役で一気にスターに!
映画『Bohemian Rhapsody』でフレディー・マーキュリーを激演し、オスカー主演男優賞候補に選ばれた(2019年1月現在)ラミ・マレックは、興奮冷めやらぬ感じで話してくれた。
「フレディーは常に自分のアーティスティックな想像力の限界を突き破る努力を続けていた。彼を演じていて、自分のアイデンティティーに不安を感じ、ビジネスでもプライベートでも複雑な問題を抱え、それでも乗り越えていく勇気とパワーに強い共感を覚えた。移民の息子としてロンドンの生活になじむまでの苦労、機会が訪れると毅然とそれを自分のものにしていく姿。内面は自信がなくともパフォーマンスで自信たっぷりの姿勢を示し、観客を引きずり込むカリスマ性…。僕もエジプト移民の子どもとしてもろもろのトラブルに巻き込まれたけれど、信念は揺るがなかった。フレディーとは時代は違うけど、幸運にも両親の祝福を受けて俳優の道に進めた。ただ、猫はアレルギーがあるから苦手なんだけれどね(笑)。
フレディーのゲイの部分を省略し過ぎたという批判があるけれど、2時間の映画でどこに焦点を置くか、ライターやプロデューサー、監督のブライアンが長時間話し合った結論なのだよ。それでも彼のゲイ、というよりバイセクシャルの部分を美しくもはかなく描いていると思う。革命的なのは、あの時代に彼が自分を露出して曲に反映したことだ。『Bohemian Rhapsody』の歌詞に、「母さん、僕は今日人を殺した」とあるけれど、これは愛する母親に、育ててくれた息子はもういない。新たなフレディーになってしまったけれど愛して欲しい、と訴えているのだと思う。彼の歌はいつも愛に飢え、愛されることを欲しているんだ。
友人たちは撮影後、しばらくはQueenの曲を聴きたくなかったろうと言ってくるけれど、実はその正反対。毎日繰り返しフレディーの声を聴いている。すごく寂しいんだ。フレディーから離れてますます彼が恋しくて、常に彼の歌を聴いていないと駄目でね。共演者やクルーにその話をしたら皆同じだと言ってきた。フレディーの影響力はやっぱりすごいんだよね」。
そしてフレディーになり切ったラミは、映画で恋人を演じたルーシー・ボイントンと実生活でもロマンスに花を咲かせたのである。
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