(2019年5月16日号掲載)
ついにアイアンマンを卒業?
映画『Avengers: Endgame』で、おそらく最後のアイアンマン役を演じると騒がれているロバート・ダウニー・Jrは、注目されていることを喜びつつ、持ち前のシニカルさを忘れない。
「今回の出演者たちとは、いつも以上に団結してヒーローの大仰な衣装を脱いで人間らしい深い会話を交わしたから、別れを言うのはすごく寂しい。とはいえ、自分がアイアンマンなり、トニー・スタークであるかのように妄想し始めてきていて、これはまずいと思ったのも否めない。今後は、低予算の演技過剰なドラマや変人たちと組んでの巡業を始めるか。はたまた、友人と話しているのだが、面白い企画を探し、僕が監督をしてみるといったアイデアを楽しんでいる。
この間、7歳の息子の誕生日にディズニーランドに行ったのだが紅茶カップやメリーゴーランドなど見向きもせず、すぐさまスペース・マウンテンに連れて行かれ、僕はヨロヨロ、息子は大興奮のスタートを切ってね。間もなくStar Wars: Galaxy’s Edgeがオープンすると言うし、Marvel Universeのエリアも予定されていて今やミッキーマウスよりスーパーヒーローたちがノッてきていることを痛感。同時に、待てよ!?これほど人気を博す娯楽映画から身を引く手はないぞ、と誘惑に駆られたりもした。人間は弱いものなのだよね。
僕も54歳。若い頃はファンの憧憬をエネルギーにして生意気な言動を取っていたが、今は自分を押し出さず、センターステージから離れ、若手に場所を提供する行為に喜びを感じるようになった。今回の映画はそういう意味でもチーム精神に富んでいて、誰一人スターぶったりせず、非常に和気あいあいとした撮影現場だった。僕は、最年長者として彼らの進歩を心から祝福して見守っていたのだよ。
家ではもうずっと前から子どもたちが最優先。次は猫2匹、それから僕という順番で世話をされ、餌を与えられている。それがバランスの取れた家庭というものなのだろうがね。アイアンマンなぞ全く無視され、パパの人形なんか駄目、ワンダーウーマンの人形が欲しかったなどと文句を言われている始末だよ」。
来年は映画『The Voyage of Doctor Dolittle』に主演のロバート。今度は動物たちとの交歓が面白そうだ。
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