シャロン・ストーン / Sharon Stone

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(2020年10月16日号掲載)

60を超え、ますます美しい天下の美女

シャロン・ストーンと成田陽子さん

天下の美女にして高い知能指数の持ち主、シャロン・ストーンも今年の3月で62歳。現在放映中の『Ratched』では猿を肩に乗せた謎の貴婦人役を怪演した。
 
「猿はね、彼女にとってのクライシスのシンボル。だから緊張が解けると猿が消えるのよ。今の私にとっての猿は新型コロナウイルス。親戚4人がかかって、誰もが集中治療室に入らねばならないほどの重体だったけれど、全員何とか回復したの。でも、後遺症があってまだまだ大変。これからはシャツや靴を着用するのと同じで、マスク着用が長いこと義務になると思う。おまけに私の職業は収入が不安定だから、目下収入ゼロの状態で、病気の不安とも相まって気分は最悪なのよ。でも自己憐憫なんてこれっぽっちも持たない。長年支持しているエイズ撲滅運動を見ても、まだ完治する薬は発明されてないし、いまだにタブー視されている。コロナだって、ワクチンができてもおいそれと生活が元に戻るなんて不可能。暗い冬が続きそうね」と、去る9月中旬のオンラインインタビューで話してくれたが、表情は明るい。自宅の庭で木漏れ日を浴びながらのシャロンは、ほとんど素顔とは言え、相変わらず壮絶なほど美しい。

シャロン・ストーンと成田陽子さん

『氷の微笑』の頃のシャロン。左は監督のポール・バーホーベン、右は共演した俳優のマイケル・ダグラス。

シャロンに初めて会ったのは『Total Recall』(1990)の時。シュワちゃんとの絡みの場面について、「彼の体はカチカチに四角くて、まるで巨大なスーツケースと格闘しているみたいで、後で体中が打ち身だらけになったのよ。でも、アクション映画を演じるのはスリリングで貴重な体験だった」と苦笑いしていた。
 
2年後の『Basic Instinct』(邦題『氷の微笑』/92)でハリウッドのセックスシンボルのレッテルを貼られ、男など不要と無言で挑むようなパワフルな女性の役が続いていたが、2001年に動脈瘤破裂による脳卒中で倒れて9日間入院。脳に22個のコイルが挿入されたという。
 
「私は3回も死にかけて、そのたびに生き返ってきた。3人の子どもの母としてますます強く生き続けるわ。今、自伝を執筆中なの。クライシスの連続だった私の人生を書いていて、それがまた私のエネルギー充電にもなっている」。
 
この本は『The Beauty of Living Twice』という題名で21年3月に出版される予定。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2020年10月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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