(2022年5月16日号掲載)
3代目スパイダーマンの英国男子
ゼンデイヤと『Spider-Man: Homecoming』で恋人同士として共演し、実生活でもロマンス。のっぽのゼンデイヤの横で小柄のトム・ホランドがうれしそうにしているスナップを見ると、こちらまでにんまりしてしまう。
新作『Uncharted』(2022)は、ビデオゲームが原作。筋肉の権化、マーク・ウォールバーグとアクションで競うと知り、トムも肉体改造に取り組んだそう。「今までで一番ハードな撮影だった。特に飛行機からカーゴに飛び移るシーンでは、体は傷だらけ。原作は大好きなゲームだけど、僕が演じたネイサンの役は、僕なりにキャラクターを変えてみたんだ。ゲームを知らなくても十分楽しめる映画になっているよ」と、語ってくれた。
今年の6月1日で26歳。英国はサリー生まれ、2008年から舞台の『Billy Elliot』の主役を務めて注目され、2015年にスパイダーマン役に抜擢。瞬くうちにスターとなった。
そばで見ると肌はすべすべ。スキニーな体に小顔が乗っていて、ほとんどお人形のよう。おまけに、英国アクセントで的確な言葉を選んではっきりと返答していく姿は実に凛々しくて頼もしいのである。スパイダーマン役に挑んだ時の微笑ましいエピソードも。
「スパイダーマンの衣装に、トイレに行きやすいようジッパーを付けてほしいと頼んだけど、デザイン上不可能だと言われて。最初の撮影で、僕が11時間一度もトイレに行かなかったと母に電話で言ったら、翌日監督が『キミ、腎臓は大丈夫か?』って質問してきた。『はい。でもなぜ?』って聞いたら、『お母さんから電話があって、息子の健康のためにトイレの時間をちゃんと取って下さい、って頼まれてしまった』と。その後はしっかりトイレ時間を作ってくれたが、毎回全部脱がないと駄目なんだ」。
トムはクラスの優等生でもあった。「学校の成績がとても良かったのだが『Billy Elliot』に出るようになって登校日が激減し、大学進学よりも職人仕事のコースに進むように言われて。それは大工のコースで、ウェールズのカーディフで訓練を受けたけど、クラスメイトは元兵隊や元犯罪人。彼らに『ヘイ、そこの俳優!』なんてよくからかわれた。でも、皆と仲良くなって、違う世界のことを知れた。大工仕事も上手になって、いつでも大工の仕事に就けますよ」。
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