俳優/スレーカ・マシュー

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現在のバランスを維持したい

Suleka Mathew
インド生まれ。2歳でバンクーバーに移住。10歳で演劇に興味を持ち、中学校の演技指導で開花。大学時代、友達の紹介で演劇学校に通い、テレビデビュー。以来、テレビ、映画、舞台で活躍、カナダのヒット作『Da Vinci’s Inquest』で4年、検死官を好演。サンダンス映画祭で絶賛を浴びた『Touch of Pink』や『The Score』、TV『The West Wing』『Stargate SG-1』などにゲスト出演。現在『Men in Trees』のサラ役で活躍中。

映画より登場人物を身近に感じるし、笑わせてくれる、世界観を変えてくれると、TV絶賛のスレーカ・マシュー。カナダの『CSI』に匹敵する『Da Vinci’s Inquest』で検死官を4年演じた後、ハリウッドに目を向けた。今回の異色な役をさらりと演じるマシューに、役者としての過去、現在、未来を聞いた。

役者が天職だと思ったのはいつですか?

マシュー(以下M):「絶対、役者!」と信じていた訳ではなく、小学生で情熱の種を植え付けられたと言うか…。15歳で演技の勉強を始め、劇団がよく公演に来る高校に入ったのもラッキーでした。親の言うなりに大学で一般教養を取っていましたが、「何か違うな?」と。20歳の時、子役から頑張っていた幼馴染みに出くわして、彼女の先生、ピーター・ブレック(『Big Valley』のニック役で有名)を紹介されました。先生からプロの役者とは何かを学び、半年後にエージェントが見つかり、3度目でオーディションに受かって、インド系カナダ人の高校生役でテレビ界デビュー。メークやセットでの礼儀、今では無意識にやっていることも、すべてここで習いました。

役者として心していることは?

M:ゲスト講師、ジーン・ハックマンの言葉「台詞を書き変えるのは役者の仕事ではない。脚本家の意図を見抜いて、いかに表現したら役に馴染むかを考えることだ」です。

『Men in Tree』のサラ役はいかがですか?

M:心と身体で考えるサラ役は新鮮でワクワクします。創作者のジェニー・ビックスは優秀で温かい人ですし、共演者は主役のアン・ヘイシュ以下皆、芸達者だけでなく、楽しく仕事ができる人ばかり。画期的なアイデアを育む環境を作ってくれるABCと、秀作を見抜く目があるワーナーに見守られて最高。時々、夢ではないかと、疑ってしまいます。

今後の目標は?

M:仕事も大切ですが、人間として成長するためには、バランスが大切だと思います。家族、恋愛、友情、健康、好奇心、独りの時間など、全要素にエネルギーを注ぐことが目標です。今年はバランスが取れていたので、ずっと維持したいです。

役者になりたい人にひと言。

M:アーティストとして自分を磨く傍ら、ビジネス面は経験豊かな賢明な人に任せること。アジア人の役は絶対数が限られていますから、伝えたいことがあったら、自作自演で始めるしかないのかな? 職業を身体で表現できるかどうか、オーディションに行く前に確認するのも大切です。医者はそれなりの動作をするものだと、演じてみるまでわからなかったという私の体験からです。ビリー・ボブ・ソーントンが「仕事は難しくはない。仕事がない時に、持ちこたえる気力が鍵だ」と、言っています。失業中って、感謝の念と忍耐力が薄れるでしょ? そんな時こそ、演技を磨き、力を蓄えるべきですが、私も下積み時代はバイトで食べていました。職種は24と多岐にわたり、業界を色々と見ることができたのは、役者としては肥やしになっていると思います。
 
Photo: (c)2006 ABC / BOB D’AMICO

[業界コボレ話]
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