アラバマ州(33)/アメリカ南部

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差別の歴史を乗り越え・南部経済発展の中心地へ

アラバマ州の旗

『アラバマ物語』で有名な同州は、人種差別の激しい州というイメージが強い。しかし、ディープサウスの中心地のひとつとして、長い伝統と独自の文化を誇り、近年は経済発展もめざましい。

アラバマ(Alabama、AL)州の基本情報
人口(2023) 5,108,468人
面積 50,633.20mile2
人口密度 (2020) 99.2人/mile
州都 モンゴメリー(Montgomery)
州知事(2024) Kay Ivey(共和党)
州のニックネーム Camellia State, Heart of Dixie, Yellowhammer State, Cotton State
人種の割合 白人68.9% / 黒人26.8% / ネイティブ・アメリカン0.7% / アジア人 1.6% / ヒスパニック4.9%
1世帯当たりの平均収入 (2022) $59,609
貧困家庭の割合 (2022) 16.2%
住宅平均価格 (2018-2022) $179,400
平均家賃 (2018-2022) $925
観光情報サイト Sweet Home Alabama
オフィシャルサイト Alabama.gov

(出典元:U.S. Census Bureau)

アラバマ共和国を名乗り南部同盟の中心的存在に

アラバマという州名を聞くと、真っ先に小説『アラバマ物語』(原題:『To Kill a Mockingbird』)を思い浮かべる人も多いだろう。1930年代、人種差別と戦うため立ち上がった1人の弁護士の物語だが、ここからアラバマ=人種差別の激しい州、と短絡的にイメージしてしまいがちだ。確かにマーチン・ルーサー・キング牧師は同州のバーミンガム市を「米国で最悪の人種差別都市」と呼んだ。公民権運動が激しい63年、同州知事に就任したジョージ・ウォーレスが「今日も差別、明日も差別、永遠に差別」と公言したことはあまりにも有名だ。
 
しかし、アラバマはサザンホスピタリティーの地でもあり、ディープサウスの中心地として長い伝統と独自の文化を持ち、州民はこれを誇りに思っている。
 
アラバマ州に最初の人類が居住したのは、9000年から1万年前のこと。16世紀からはこの地を舞台に、スペイン人、フランス人、イギリス人による激しい覇権争いが繰り広げられた。1814年、アンドリュー・ジャクソン将軍指揮下の入植軍がインディアンを打ち破ると、入植者が急増。1819年、22番目の州として合衆国に加盟した。しかし1861年、北部連邦を脱退してアラバマ共和国を名乗り、結成直後の南部同盟に加わり中心的役割を演じる。

ヘレン・ケラーからカポーティーまでを輩出

同州最大の都市は、南部を代表する工業都市・バーミンガム。鉄鋼業が産業の中心で、石油、石炭、天然ガスの生産も盛ん。一方、農業では大豆、ピーナツ、トウモロコシの生産量が多い。
 
同州生まれの有名人には、三重苦を負いながら障害者福祉に貢献したヘレン・ケラー女史、作家のトルーマン・カポーティ、俳優ではコートニー・コックス・アーケットがいる。音楽関係では、「ジャンバラヤ」を大ヒットさせたハンク・ウィリアムズ、ナット・キング・コール、ライオネル・リッチーら。また、生涯本塁打660本を放った野球のウィリー・メイズ、ボクシングのヘビー級チャンピオンのジョー・ルイスらがいる。

 

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