平均高度は全米一・自然と人々が調和する山岳州
コロラドはスペイン語で”Color Red”の意。この名は、赤い土砂が流れ込み赤く染まったコロラド川に由来する。建国100周年の年に合衆国に加盟したため、「Centennial State」の愛称も。
コロラド(Colorado、CO)州の基本情報 | |
人口(2023) | 5,877,610人 |
面積 | 103,610.1mile2 |
人口密度 (2020) | 55.7人/mile |
州都 | デンバー(Denver) |
州知事(2024) | Jared Polis(民主党) |
州のニックネーム | Centennial State, Mountain State |
人種の割合 | 白人 86.2% / 黒人 4.7% / アメリカインディアン 1.7% / アジア人 3.8% / ヒスパニック 22.5% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $87,598 |
貧困家庭の割合 (2022) | 9.4% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $465,900 |
平均家賃 (2018-2022) | $1,594 |
観光情報サイト | Colorado Tourism |
オフィシャルサイト | Colorado.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
第2次大戦中も日系人の権利を守る
コロラドはもともとプエブロインディアンの暮らす地域だったが、1706年スペイン征服後、1803年に東部が米国領になり、1848年にはメキシコ戦争の結果、西側も米国領となった。
アジア系人口は2・2%と少ないが、日系人が古くから移り住んだ場所でもある。太平洋戦争が始まり日系人への排斥がひどくなると、時の州知事のライフ・カーは、「日系人も米国に忠誠を誓う人々であり、人種が敵と同じだけだ。不安なく来たれ」と呼びかけ、多くの日系人が集まった。集まった数千の日系人は州の戦争努力に忠実に協力し、戦後も勤勉に働き、州の文化、経済発展に尽くしたと言われている。
さて、コロラド州と言えば雄大なロッキー山脈である。州最高峰のルバート山は標高4398メートル。州の平均高度が全米一ということでも知られている。マラソンの有森裕子や高橋尚子がデンバーを高地トレーニングの地に選んだのも、こうした地理的条件があってのことだと言える。
環境を守るためオリンピック開催を返上
ロッキー山脈に関わる連邦政府機関としては、山梨県富士吉田市と姉妹関係にあるコロラドスプリングス市郊外の米空軍士官学校と北米防空司令部(NORAD)がある。特にNORADは冷戦時代、対ソ核戦略の中枢的役割を果たした。
高地であり、しかも空気のきれいな土地だということで、冷戦時代には軍需関連のハイテク企業も軒並みデンバーに集まった。日系企業も数多く進出している。
州都デンバーはまた、1度決まったオリンピックを返上したかつてない都市として知られている。1974年の冬季オリンピックのことだ。理由は環境破壊。現在も住民の多くは熱心に環境問題に取り組み、豊かな自然を守っている。コロラド州は、21世紀に残された自然と人々が共存する稀有な土地と言えるのかもしれない。