草競馬で有名な牧草地帯・古き良きアメリカの代名詞
『My Old Kentucky Home』やダービー、バーボンウィスキーなど、牧歌的で古き良きアメリカのイメージが強いケンタッキー州だが、南北戦争の激戦地となった残酷な歴史もある。
ケンタッキー(Kentucky、KY)州の基本情報 | |
人口(2023) | 4,526,154人 |
面積 | 39,480.9mile2 |
人口密度 (2020) | 114.1人/mile |
州都 | フランクフォート(Frankfort) |
州知事(2024) | Andy Beshear(民主党) |
州のニックネーム | Bluegrass State |
人種の割合 | 白人68.5% / 黒人20.0% / ネイティブ・アメリカン0.6% / アジア人7.3% / ヒスパニック10.5% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $60,183 |
貧困家庭の割合 (2022) | 16.5% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $177,000 |
平均家賃 (2018-2022) | $902 |
観光情報サイト | Kentucky Tourism |
オフィシャルサイト | Kentucky.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
豊かな河川交通。英雄リンカーンのお膝元
アパラチア山脈の西側に位置する同州は、「ブルーグラス・ステート」と呼ばれるように、穏やかな牧草地帯が広がる。ミシシッピ川とオハイオ河が合流する地点で、輸送に利用可能な河川の総距離は1770キロと、本土で最も恵まれている。産業では機械工業が盛んで、トヨタ自動車を始めとする日系企業も多く進出している。
18世紀半ば、探検家ダニエル・ブーンの来訪以来、イギリス人、そしてフランス人と次々に白人が定住。1792年、15番目に合衆国に加盟した。
南北戦争時には、北と南を分けるメイソン・ディクソン線のすぐ南側に位置していたため、南北双方の州気質が存在していた。奴隷制度を認める州として発展していながらも、戦争中は北軍として戦った。また、第16代大統領アブラハム・リンカーンと同時期に南軍同盟大統領となったジェファーソン・デイビスは同州出身であったため、州内では親類や知人の間でも争いが絶えず、戦争中の4年間は最も激しい戦いとなった。
バーボンの本場KFC発祥の地
世界のトウモロコシ生産量の半分を産出するコーンベルト地帯に位置する同州は、バーボンウィスキーが生まれた場所でもある。しかし、銘酒の本場でありながら、同州の半分以上の地域では現在、酒の売買は法律に違反する。
1875年より始まったケンタッキーダービーは世界3大ダービーのひとつで、毎年5月の第1土曜日にルイビルのチャールズタウンズ競馬場で開催される。また、「ケンタッキー」といえば「フライドチキン」というぐらい、KFCは世界に浸透している。カーネル・サンダースがこの地で始めたチキン料理の店はまたたく間に評判になり、60年代以降、KFCの名は、全米、世界に知れ渡ることになった。同社の本社は同州にあり、その業績はルイビルにあるカーネル・サンダース博物館でも知ることができる。