広大な大地を覆う“大空”の州
雄大なロッキー山脈が南北に走る山岳地帯、州中部から東部にかけては平坦な穀倉地帯と、風光明媚なモンタナ州のニックネームは“大きな空”。広大な地表の屈曲を覆う空の広さに由来している。
モンタナ(Montana、MT)州の基本情報 | |
人口(2023) | 1,132,812人 |
面積 | 145,509.2mile2 |
人口密度 (2020) | 7.4人/mile |
州都 | ヘレナ(Helena) |
州知事(2024) | Greg Gianforte(共和党) |
州のニックネーム | Treasure State, Big Sky country |
人種の割合 | 白人 88.7% / 黒人 0.6% / アメリカインディアン 6.5% / アジア人 1.1% / ヒスパニック 4.5% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $66,341 |
貧困家庭の割合 (2022) | 12.1% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $305,700 |
平均家賃 (2018-2022) | $974 |
観光情報サイト | Montana Office of Tourism |
オフィシャルサイト | Montana.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
リトルビッグホーンの戦いの舞台
モンタナはフランスによって発見され、ルイジアナ地域の一部とされていた。1803年、合衆国がフランスより同地を含む一帯を購入した。当時、東部から白人が移住してきたため、東部のネイティブアメリカンの部族は北西部に移動し、もともと西部に居住していた部族はさらに西に追いやられた。
1851年、合衆国政府とネイティブアメリカンはスティーブンス条約を交わし、狩猟権が一定の土地に限定されることになった。しかし、明け渡した土地の代わりに終身年金や食料補給等が保障された。
しかし1862年のゴールドラッシュ後、政府は約束した保障を守らなかった上、武力を盾に白人開拓者の流入を促し、居住区自体を北に追いやったため、両者の対立が激化。1876年、政府の手柄を立てることに躍起になっていたカスター将軍が一軍でスー族に乗り込んでいき、政府軍を全滅に導いたリトルビッグホーンの戦いと呼ばれる悲劇も発生した。しかし、新兵器と絶対的な人数で政府軍に太刀打ちできなくなったネイティブアメリカンたちは次々に白人に服従していった。
広大な大陸氷河グレーシャー国立公園
同州は7つの国立野生動物保護地域、313もの州立公園、国立公園第1号のイエローストーンの一部、そしてロッキー山麓のグレーシャー国立公園を有する。グレーシャーの園内には50を越す氷河があり、氷河によって削られた氷河湖の数は200以上を数える。
19世紀から同州のヨーゴ峡谷は・矢車菊の青・と呼ばれる濃く青いサファイアが産出することで知られたが、スリランカ産との価格競争に敗れ忘れ去られていた。しかし近年、同州の広範囲な地域で産出する小粒な天然サファイアが、加熱処理技術の進歩により、その透明度の高さと独特な色彩が実現した。そのため、このサファイア人気が再び高まり、年間産出量は数百万カラットに達するという。