かつてはゴールドラッシュ・今はラスベガスで一攫千金
砂漠に覆われたネバダ州はシエラネバダ山脈の東に位置し、平均の年間降水量が100ミリほど。多くの山脈が平行に走り、その間に無数の砂漠の谷がある地形が特徴的だ。
ネバダ(Nevada、NV)州の基本情報 | |
人口(2023) | 3,194,176人 |
面積 | 109,831.3mile2 |
人口密度 (2020) | 28.3人/mile |
州都 | カーソンシティ(Carson City) |
州知事(2024) | Joe Lombardo(共和党) |
州のニックネーム | Silver State, Sagebrush State, Battle-Born State |
人種の割合 | 白人 72.1% / 黒人 10.8% / アメリカインディアン 1.7% / アジア人 9.4% / ヒスパニック 30.3% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $71,646 |
貧困家庭の割合 (2022) | 12.5% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $373,800 |
平均家賃 (2018-2022) | $1,382 |
観光情報サイト | Travel Nevada |
オフィシャルサイト | NV.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
ゴールドラッシュ終焉後、離婚の街から娯楽の街へ
1775年、スペインの探検家フランシスコ・トーマスが同地域を探検、以来スペインの植民地だったメキシコの勢力下に。米墨戦争後、米領土になり、ユタ準州、ネバダ準州を経て、1864年に36番目の州として合衆国に加盟した。当時、ネバダ全域で金が発見され、ゴールドラッシュが始まった。
ゴールドラッシュも終焉を迎え、入植にも向かない砂漠の中心の同州政府は、もっと人を流入させるため、一定期間州内に滞在すると同州の州法が適用される法律を制定した。同法の狙いは、簡単に離婚を成立させることにあった。この法律により、全米各地から離婚を希望する夫婦が殺到。彼らのための娯楽施設が必要になり1931年、同州はギャンブルを合法化した。その後、カジノ産業は飛ぶ鳥を落とす勢いで伸び続け、大勢の観光客が一攫千金を夢見て同地に集まるようになった。
核と隣り合わせの砂漠。放射性廃棄物処理場建設へ
1951年に米国原子力委員会は、戦術用核兵器の実験を行うため、ラスベガスから北西約150キロの砂漠にネバダ核実験場を設けた。1992年まで928回(米国全体では1030回)の核実験が実施された。
また、核実験場の西南端に位置するユッカマウンテンは1982年より20年にわたる米エネルギー省の調査の結果、高レベル放射性廃棄物処理場の最終候補地に選定された。グイン知事はこれを不承認とする通知を連邦議会に提出したが、ブッシュ大統領は同地の立地承認に関する連邦議会の合同決議に署名、法律として処分場の立地が承認されることとなった。
2010年に操業開始が予定され、地表から約300メートル下、地下水面から約300メートル上方の場所に主トンネルを掘削、ここに約7万トンの高レベル放射能廃棄物を貯蔵することに。全米の商業用原子力発電所の使用済み燃料に加え、軍事関連の高レベル放射性廃棄物もここに貯蔵されることになる。