アメリカ産業革命の先駆者・ポーツマス条約の舞台「ニューハンプシャー州」
アメリカ・ニューハンプシャー州のモットーは「Live Free or Die」(自由に生きられないのなら、死んだほうがまし)である。人間らしく生きようという意味にも取れるように、独立心が強い州のイメージがある。
ニューハンプシャー(New Hampshire、NH)州の基本情報 | |
人口(2023) | 1,402,054人 |
面積 | 8,951.0mile2 |
人口密度 (2020) | 153.8人/mile |
州都 | コンコード (Concord) |
州知事(2024) | Christopher Sununu(共和党) |
州のニックネーム | Granite State, Mother of Rivers, White Mountain State, Switzerland of America |
人種の割合 | 白人92.6% / 黒人2.0% / アジア系3.2% / ヒスパニック4.6% / ネイティブ・アメリカン0.3% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $90,845 |
貧困家庭の割合 (2022) | 7.2% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $337,100 |
平均家賃 (2018-2022) | $1,336 |
観光情報サイト | New Hampshire Office of Tourism |
オフィシャルサイト | NewHampshire.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
先陣を切ってイギリスから独立を宣言
英王室よりニューイングランド・カウンシルが1620年代に北緯40度から48度の間を譲渡されたのが、ニューハンプシャー地域の入植の始まりである。1641年より、マサチューセッツによる併合が行われ、1679年に再度イギリスより独立した植民地として宣言されたが、同地域のために総督が指名されることはなかった。
スコットランド系やアイルランド系入植者によって、同地域では製材や繊維業が発達していった。1774年、愛国主義を唱える者たちが、ウィリアム砦とマリー砦を攻略し、イギリスから武器や弾薬などを奪い取った。そしてその2年後、全米で1番最初にニューハンプシャー州はイギリスからの独立を宣言。アメリカ合衆国独立宣言の6カ月前に、9番目の州として加盟した。
南北戦争では北軍を支持。戦後は豊かな水資源を利用し、産業革命が本格化、羊毛や綿製品の生産が爆発的に増加した。1930年代の大恐慌で単一の産業に依存してきた街は大打撃を受け、以後、機械産業などにも重点を置くようになった。
紅葉が美しいホワイトマウンテン
また、ニューハンプシャー州には日本とロシアが日露戦争終結のために調印したポーツマス条約で有名なポーツマスがある。ポーツマス海軍造船所の敷地内にある事務本部ビルにて、1905年9月5日、日本全権の小村寿太郎とロシア全権のセルゲイ・ウィッテは約30日にわたって交渉を行い、最終的に調印した。
アパラチア山脈の一部、ニューハンプシャー州北部のホワイトマウンテンは、アメリカの古い大統領たちの名前を戴く山々を中心にした壮大な景観と紅葉、そして避暑地としての古い歴史が織り成す、アメリカでも有名なリゾート地。
ホーソンやウェブスターの詩にも歌われたオールドマン・オブ・ザ・マウンテンは、約数千年前に氷河が移動した際に花崗岩が削られて形成された、高さ120m以上、幅約70mにもおよぶ巨大な岩山だ。