小麦生産の一大拠点・グレートプレーンの最北端
日本の約半分の面積がありながら、人口は65万人足らずのノースダコタ州。「ひとけのない州」との印象が強く、広大な平野の州と称されることもある。
ノースダコタ(North Dakota、ND)州の基本情報 | |
人口(2023) | 783,926人 |
面積 | 68,976.5mile2 |
人口密度 (2020) | 11.3 人/mile |
州都 | ビズマーク(Bismarck) |
州知事(2024) | Doug Burgum(共和党) |
州のニックネーム | The Peace Garden State |
人種の割合 | 白人86.6% / 黒人3.6% / アジア系3.6% / ヒスパニック4.6% / ネイティブ・アメリカン5.3% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $73,959 |
貧困家庭の割合 (2022) | 11.5% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $232,500 |
平均家賃 (2018-2022) | $912 |
観光情報サイト | North Dakota Office of Tourism |
オフィシャルサイト | NorthDakota.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
ビーバーやバッファロー毛皮取り引きの拠点
同州はチェイニー族やスー族を始め、ネイティブアメリカンが古くより遊牧する土地だった。その後フランス領になったが、1803年にルイジアナ購入で合衆国の準州に。貿易の拠点がレッド川盆地に作られ、バッファローやビーバーなどの毛皮の取り引きが開始された。蒸気船やキャラバンワゴンのルートの発達により、取り引きはさらに広がった。
南北戦争後、ノーザン・パシフィック鉄道が開通し、ドイツ系移民を流入させる目的で鉄道会社が州都ビスマルクを造都。1868年に準州はサウスダコタとノースダコタが連結した状態にまで縮小し、モンタナやミズーリは州として独立した。
1889年にサウスダコタから分割し、39番目の州として合衆国より認証。ドイツ系やスカンジナビア系の移民が押し寄せ、1920年までに人口が65万人まで増加した。彼らはホームステッド法により自分たちの土地を手に入れ、厳しい気候下でも育つ穀類の生産を始めた。
肥沃な土壌がもたらすオーガニック栽培のメッカ
ノースダコタ州は厳しい冬の寒さでも知られる。同州は北米大陸のど真ん中に位置するため、大陸性気候の影響が大きく、冬は激しい寒波に見舞われる。しかし、農業は同州経済の大きな基盤となっており、特にデュラム小麦は国内80%以上の生産高を誇る。また、ヒマワリや大麦、オーツ麦、ライ麦の生産でも国内有数だ。これら農産物に欠かせない同州の土壌はウィリアムソイルと呼ばれ、220万エーカーにわたり分布している。この土質はフィート芝やジューングラスなどの天然有機物が多く含まれ、有機野菜の栽培にも適している。
1951年に北西部で発見された油田や天然ガスも、同州の経済にとって貴重な収入源のひとつ。また、褐炭と呼ばれる石炭の一種も年間350万トンも産出され、アメリカの石炭産業の中心になっている。