自由と独立を謳う合衆国誕生の地
イギリス貴族のウィリアム・ペンは、父がイギリス王に貸した1万6千ポンドの代償として、アメリカで領主権を譲り受けた。「ペンシルベニア」は彼の父の名に由来している。
ペンシルベニア(Pennsylvania、PA)州の基本情報 | |
人口(2023) | 12,961,683人 |
面積 | 44,729.9mile2 |
人口密度 (2020) | 290.6人/mile |
州都 | ハリスバーグ(Harrisburg) |
州知事(2024) | Josh Shapiro(民主党) |
州のニックネーム | The Keystone State |
人種の割合 | 白人80.6% / 黒人12.3% / アジア系4.2% / ヒスパニック8.9% / ネイティブ・アメリカン0.5% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $73,170 |
貧困家庭の割合 (2022) | 11.8% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $226,200 |
平均家賃 (2018-2022) | $1,110 |
観光情報サイト | Pennsylvania Office of Tourism |
オフィシャルサイト | Pennsylvania.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
国家建設を牽引し多くの「全米初」を誇る
初めてヨーロッパから入植したのはコーネリス・ジェイコブセンで、1614年のこと。その後、スウェーデン人やオランダ人などが到来し、1664年にはイギリスが支配権を確立した。ペンが領主権を得てからは、信仰の自由を保障し、先住民とも共存していた。プリマスやボストンでは異端者を激しく排斥していたため、同州のフィラデルフィアには多数の植民者が押し寄せた。
フィラデルフィアは合衆国発祥の地でもあり、1776年7月、インディペンデンスホールにて独立宣言が採択された。独立運動の気運を高めた「第1回大陸会議」が開催されたのも、独立憲章に署名が行われたのもこの地で、それらのホールは現在、インディペンデンス国立歴史公園になっている。
初期のアメリカを牽引した同州は、数多くの「全米初」を誇る。1751年病院設立、1780年奴隷制廃止、1781年銀行設立、1792年溶鉱炉操業、さらに1859年の油田操業は世界初。1790年から1800年にかけては、合衆国の首都でもあった。
原発反対運動の引き金スリーマイル島事故
独立戦争では南北の境界線にもなり、州南部にある独立戦争の激戦地・ゲティズバーグでは、1863年7月3日から3日間にわたり、北軍8万3千人、南軍7万5千人の兵士が戦った。同年11月19日にはリンカーンがここで、かの有名な「人民の、人民による、人民のための政治を」の演説を行った。
同州には広大な石灰層があることから炭鉱業が盛んになり、鉄鋼業をリードしてきた。1979年3月には、サスケハナ川の中州にあるスリーマイル島の原子力発電所で事故が起こり、放射能汚染された水とガスが漏れ、周辺の住民約15万人が避難する騒ぎとなった。この事故により島の原発は閉鎖になり、原発反対運動が世界的に広まるきっかけにもなった。