四季の美しさが際立つメープルシロップの里
1609年、バーモントに最初に移住したのはフランス人。現在もフランス系がイギリス系に続き2番目に多い。四季がはっきりとした同州は、秋は紅葉、冬はスキーのメッカとして有名だ。
バーモント(Vermont、VT)州の基本情報 | |
人口(2023) | 647,464人 |
面積 | 9,215.4mile2 |
人口密度 (2020) | 69.8 人/mile |
州都 | モントピリエ(Montpelier) |
州知事(2024) | Phil Scott(共和党) |
州のニックネーム | The Green Mountain State |
人種の割合 | 白人93.8% / 黒人1.5% / アジア系2.1% / ヒスパニック2.3% / ネイティブ・アメリカン0.4% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $74,014 |
貧困家庭の割合 (2022) | 10.4% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $272,400 |
平均家賃 (2018-2022) | $1,149 |
観光情報サイト | Vermont Office of Tourism |
オフィシャルサイト | Vermont.gov |
(出典元:U.S. Census Bureau)
全米初の奴隷制廃止とすべての男子に選挙権
イギリス人が定住したのは1724年。植民地支配下では、バーモント領土をめぐってニューハンプシャーとニューヨークが敵対した。そこで生まれたのが義勇連隊「グリーン・マウンテン・ボーイズ」だ。指揮を執ったのはイーサン・アレン連隊長。独立戦争では並外れた戦果を挙げた。
独立戦争後は合衆国に加盟せず、1777年に「ニューコネティカット共和国」として独立国家となった。独立精神旺盛な気風がうかがえるが、それをさらに裏付けるのが、独立と同時に奴隷制を廃止し、すべての男子に選挙権を与えたことだ。奴隷制廃止も選挙権を土地所有者以外に与えたのも全米初。
独立後、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ニューヨークが相次いで同州の領有権を放棄し、1791年に合衆国憲法を批准。東部13州以外で初めて合衆国に加盟し、14番目の州となった。
大統領は2人とも副大統領からの中途昇格
土地の76%が森林で覆われる同州には環境や景観関連の厳しい規制がある。州の名産はサトウカエデの木から採れるメープルシロップだ。
1846年、ブラトルボロで全米初の切手が印刷された。1895年、ウィルソン郵便局長は、イギリス人作家、ルディヤード・キプリングがブラトルボロ最大の企業よりも多くの郵便物を受け取っていると知り、キプリングの隣人であるアナ・ウェイトを郵便局長に任命し、専用のウェイト郵便局を開設した。同郵便局はアメリカで唯一個人向けに開設された郵便局で、現在、同局の消印の切手は収集家の間で人気が高い。
バーモント州は2人の大統領を輩出している。第21代チェスター・アーサーと、第30代のカルビン・クーリッジだ。アーサーは前任のガーフィールド大統領暗殺により就任、クーリッジもハーディングが任期半ばで他界したため就任。2人とも副大統領から中途昇格している。