女性を尊重したカウボーイ・ワイルドウエストの歴史
先住民の言葉で「大きな原っぱ」を意味するワイオミング州。その名の通り広大な土地がどこまでも広がり、州最大の都市、シャイアンでも人口はわずか5万人強だ。
ワイオミング(Wyoming、WY)州の基本情報 | |
人口(2023) | 584,057人 |
面積 | 97,063.0mile2 |
人口密度 (2020) | 5.9人/mile |
州都 | シャイアン (Cheyenne) |
州知事(2024) | Mark Gordon(共和党) |
州のニックネーム | Equality State, Cowboy State |
人種の割合 | 白人 92.3% / 黒人 1.2% / アメリカインディアン 2.8% / アジア人 1.1% / ヒスパニック 10.8% |
1世帯当たりの平均収入 (2022) | $72,495 |
貧困家庭の割合 (2022) | 11.8% |
住宅平均価格 (2018-2022) | $269,900 |
平均家賃 (2018-2022) | $933 |
観光情報サイト | Wyoming Office of Tourism |
オフィシャルサイト | State of Wyoming |
(出典元:U.S. Census Bureau)
ワイルドウエストの大スターまで誕生
州のニックネームのひとつは「カウボーイ州」。州都のシャイアンは先住民の部族の名前で、ララミーも西部劇を彷彿とさせる。ララミー砦はゴールドラッシュで西へ向かう人々の休憩場所として、また政府軍の駐屯地として栄えた。
オレゴントレイルが州内を走っていたことから、何千人もの人々が同州を通過した。定住後はシャイアン族やスー族などと政府軍の争いが続いた。
当時活躍した有名人に、バッファロー・ビルことウィリアム・コディがいる。コディはララミー砦に設立された郵便会社、ポニーエクスプレスの配達人だったが、後にバッファロー・ハンターとなり4000頭のバッファローを狩り、バッファロー・ビルの異名を得た。先住民との戦いに参加後、「バッファロー・ビルのワイルドウエストショー」を設立、エンターテイナーに。このショーは大人気を博し、北米はおろかヨーロッパツアーまで実現している。
19世紀には既に女性参政権が成立
州のもうひとつのニックネームは「同権の州」だ。女性の参政権が認められたのはなんと1869年。「女性参政権の母」と言われたエスター・モリスは、全米初の女性裁判官。1894年にはエステル・リールが女性初の公選人として教育委員会委員長に就任している。1924年には、これも全米初の女性州知事が誕生。
同州には所得税がない。また、法人税もないが企業誘致には成功していない。だが百貨店チェーンのJCペニーは同州が起源。また、天然資源が豊富で、州の財政も石炭、天然ガス、原油に頼っている。
もうひとつの大きな収入源は、イエローストーン国立公園に代表される観光資源。グランドテートン国立公園では、西部劇の名作『シェーン』が撮影された。また、デビルズタワーは全米初の国定記念物。高さ250メートルの岩は、スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』のロケにも使われた。