アメリカでの主な移動手段は車。運転する頻度や時間が長くなるほど、交通違反をしてしまう可能性も。駐車違反や飲酒運転などの違反について解説します。
※このページは「ライトハウス 2024年春夏の増刊号」掲載の情報を基に作成・更新しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
交通違反のチケットを切る警官には素直に従うこと
駐車違反の場合は、車のフロントガラスに置かれたチケットに記載された罰金額のチェックを郵送するか、クレジットカードで支払います。
警察官によってMoving Violation(走行中の交通違反)として止められた場合、その場でチケットを切られます。パトカーから停止の指示を受けた場合は、速やかに右の路肩に駐車し、車内で指示を待ちましょう。この時、車から降りないのが原則です。違反に納得できない場合でもチケットに署名し、警察官に直接反論しないこと。
後日、所轄の裁判所から裁判を希望するか、違反を認め罰金を支払うかを問う手紙が届きます。届かない場合でも、裁判所のウェブサイトで自分の違反のケースを検索し、罰金を払うか裁判所に出廷するかを選択します。違反チケットに記されている日付までにこれらのアクションを自ら起こさないと、強制的に出廷し、当初の罰金額より多額の罰金を支払う羽目になることもありますので注意が必要です。
多くの州で飲酒運転は交通違反でなく犯罪
カリフォルニア州をはじめ、多くの州で飲酒や薬物影響下での運転(DUI)は交通違反ではなく刑法違反に当たります。DUIの疑いがあると警察官に判断された場合は、現場で呼気テストなどを受けます。多くの州で血中アルコール濃度が0.08%以上検出されれば違法となり、現行犯逮捕され、拘置所へと連行されます。なお、コロラド州などいくつかの州では、この水準以下でも「酩酊運転」とみなされ、取り締まりを受けることがあります。DUIでは保釈金を払い、その日か翌日には拘置所を出られますが、最高12カ月まで拘置されることもあります。
裁判では最初の出廷後、60日以内に罪状が確定します。有罪判決が下された場合、罰金と社会奉仕活動が科せられたり、90日間から1年間の免許停止になることもあります。トラフィックスクールに1年間通わなければならない場合もあります。裁判は手続きが複雑で専門用語も多いため、弁護士に依頼するのが無難でしょう。有罪判決が下された場合、罰金のみならず、裁判費用、手続料などが発生し、軽犯罪としての記録が10年間残ります。さらに、飲酒運転で何度も捕まった場合には、重犯罪扱いになり、保険料も大幅に上がることも頭に入れておきましょう。
違反は通常、スピード違反と信号無視が1ポイントで、飲酒運転やひき逃げは2ポイント以上。小さな違反の場合、DMVで課せられたポイントは3年間で消え、8時間の講習受講やオンラインのトラフィックスクールで合格すれば、ポイントはゼロに戻されます(ただし、18カ月に1度のみ)。保険料への影響は小さな違反は3年間、飲酒運転は7年間消えません。
監修/The Law Office of WILLIAMS & WILLIAMS ・ Julien Willimas 弁護士 (☎310-740-3247/日本語直通)