歌の”代弁者”として、80歳になっても現役で歌いたい
毎年秋恒例、オーロラ日本語奨学金基金主催のベネフィット・コンサート。今年は、八代亜紀さんが出演します!デビュー50周年が近づく中、ますます精力的に活動する八代さんに、歌への思いやコンサートへの意気込み、今後の展望などについて伺いました。
(2017年9月16日号ライトハウス・ロサンゼルス版掲載)
―今年でデビュー46年の八代さんですが、改めて、八代さんにとって歌とはどのようなものでしょう?また、画家として絵にも力を注がれていますね。
八代亜紀さん(以下、八代亜紀):歌は私の命で、絵がその命を支えているという感じですね。2週間コンサートやテレビの仕事をしたらその後3日くらいアトリエにこもって絵を描いて、また2週間ほどコンサートやテレビの仕事をしているうちに(油絵なので)絵の具を乾かして、また3日ほど描いて…という生活を30年続けています。歌はもちろんなんですが、絵は私にとって本当に大事ですね。
―なるほど。とはいえ本業の歌も多くのコンサートをこなすなど、精力的に活動されています。以前、ご自身のことを「表現者ではなく代弁者」と話されていたのが印象に残っていますが、そのお気持ちは変わりませんか?
八代亜紀:変わりませんね。歌詞の内容はどれも私が経験していないもの。だから私は、自分の思いを伝える「表現者」ではなく、歌詞で描かれている誰かのことを代弁する「代弁者」だと思っているんです。言葉の一つ一つを大事に、きちんと聴いている人に届けたいですね。
―2016年のフジロックフェスティバルなど、音楽フェスにも頻繁に出演されていますね。
八代亜紀:フェスはね、ありがたいことに若い世代からオファーがあるんです。野外の何万人も入る会場で若い人たちを前に歌うのは楽しいですよ。「アキちゃんかわいい!」とか「生八代だ!やば!」なんて言われたり(笑)。ロックバージョンの「舟唄」なんかもノリノリで歌うとすごく喜んでくれますしね。
―ロックもそうですが、ここ数年、ジャズアルバム『夢の夜八代亜紀ライブ・イン・ニューヨーク』(2013年)や、ブルースアルバム『哀歌-aiuta-』(2015年)をリリースするなど、演歌以外のジャンルにも挑戦されていますね。
八代亜紀:2013年にニューヨークで行ったジャズライブは、憧れの歌手、ヘレン・メリルとの共演もできて、本当にいい経験でした。ブルースで言えば、2015年に聖地メンフィスを訪れてブルースについて勉強しました。その際はB.B.Kingが開いたライブハウスでライブもしたんですよ。アメリカ人相手に「舟唄」を歌ったんですが、すっごく盛り上がってうれしかった!思うのは、私にとって音楽のジャンルは関係ないということ。曲調がロックになれば、「イエーイ!よろしくぅ!」って感じで心も顔つきも切り替わるんだけど(笑)、どんなジャンルだろうと、八代亜紀は八代亜紀なんです。
―ロサンゼルスでのライブが楽しみです。今回はどのような経緯でベネフィットコンサートへの出演が実現したのですか?
八代亜紀:このベネフィットコンサートには、以前アンジー(歌手のアンジェラ・アキさん)が出たでしょ。彼女とはとても仲が良くて、ぜひ私にも出てほしいと言われたんです。
―どのようなライブになりそうでしょうか?
八代亜紀:やっぱりヒット曲は楽しんでいただきたいし、ジャズやブルースも歌います。トークも近況報告とかその時の気持ちなんかを交えて楽しくできたらいいなと思っています。あと、英語の歌も歌いますし、リズム感とかノリでも楽しめると思うので、アメリカ人の方々にもぜひ来てほしいですね。
―それは見逃せませんね!最後に、今後の展望を教えていただけますか?
八代亜紀:私、80歳までは生きたいの。80歳になってもたまにライブをやって、若者たちがたくさん見に来る。それが目標ですね。絵は車いすになっても描けるから、死ぬまで描いていたいですね。
AURORA BENEFIT CONCERT IN LA AKI YASHIRO
■主催:オーロラ日本語奨学金基金
■公演日:2017年10月21日(土)5:00pm
■会場:Redondo Beach Performing Arts Center
(1935 Manhattan Beach Blvd., Redondo Beach)
■料金:$125、$100、$75、$55、$35(全席指定)
■チケット取扱店
・紀伊國屋書店ロサンゼルス店(213-687-4480)
・紀伊國屋書店コスタメサ店(714-662-2319)
・All American Tickets(888-507-3287、www.allamerican-tkt.com)
・Aurora Foundation Office(323-882-6545、www.jlsf-aurora.org)
※このページは「2017年9月16日号ライトハウス・ロサンゼルス版」掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。