ものもらい(Stye)

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気になっても触らない。ホットパックで温める

まつげの付け根には、涙を分泌する管(瞼板腺)がありますが、この管にばい菌(主にブドウ球菌)が入ってしまうとものもらいになります。予防としては、手を清潔にする、目をこすらないなど、目にばい菌が付着するのを防ぐことが1番です。
 
ものもらいになってしまった場合ですが、気になって触ると、またばい菌が入ってしまうので、触らずに清潔な状態にしておくことが大切です。そして血液循環を良くするために、ホットパックなどのアイマスクで目を温めると治りが早くなります。
 
目を温める時は、1日4、5回、10分から15分持続して行ってください。熱いタオルを絞っただけですと、それほど長く温度が維持できないので、ゆで卵などを清潔なタオルなどに包んで使う方法もあります。
 
ひどくなると抗生物質の投与が必要な時もありますので、専門医に相談してください。日本では市販の目薬でものもらい用のものがありますが、アメリカの市販の目薬で、よく見かけるものは充血用とアレルギー用、それにドライアイ用の3種類です。
 
「STYE」と書いてあればものもらい用ですが、あまり見かけることはないようです。充血用の目薬は血管を収縮させる作用の薬が含まれているので、慢性的に使っていると反対に副作用で充血を悪化させることがあります。
 
アレルギー用の目薬もありますが、これは目がドライになることもあり、いずれにしてもものもらいに効くというわけではありません。市販の目薬を使用するなら、ドライアイ用の涙を補充するArtificial Tear(人工涙液)を使用するといいでしょう。

まつげの付け根を意識して洗う

コンタクトレンズを使用している人は、コンタクトに触れる前には必ず手を洗い、手入れを怠らないように心がけることも大切です。コンタクトレンズだけでなく、ケースも清潔を保ってください。まつげの付け根にばい菌が付きやすい人もいますので、炎症を起こしやすい人は、意識して付け根を洗うようにしましょう。
 
また別の病気が原因という場合もあります。ものもらいは急性の炎症ですが、皮膚がんの種類によっては、ものもらいに似た症状を繰り返し示すことがあります。頻繁になる時などは、糖尿病など別の病気で身体の抵抗力が落ちているのが原因ということも考えられます。気になる時は、専門医に相談を。
 
目も身体の一部ですので、きちんと栄養を取って体調を整えることも大切です。

杉本郁子 検眼医
パシフィック大学オプトメトリー学部。南加オプトメトリー大卒。1995年トーランスで開業。

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