花粉症(Hay fever)

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アレルギー反応は免疫システムの一環

花粉症は空気中の花粉を吸い込んで起こるアレルギーです。さまざまな因子によって引き起こされ、環境が変わると異なる因子が原因となります。
 
ある日突然起こるような気がしますが、すぐに反応が出るわけではありません。アレルギー物質が初めて体内に入った時、身体はその物質を認識しません。しかし、毎年体内に入り続けることによって免疫システムが形成され、抗体ができます。抗体ができると、抗原が作られ、これがアレルギー反応となって現れます。ですからアレルギー反応は、免疫システムの一環だと言えます。
 
鼻の奥の肥満細胞にアレルギー物質が触れると、細胞の壁が破れ、ヒスタミンを放出します。このヒスタミンが、鼻水や鼻づまりなどを引き起こすのです。
 
アレルギーはペットが原因となることもあります。たとえ家にペットがいなくても、飼っている人と接触するだけで起こる場合もあります。また、花だけでなく草木も原因となり得ます。

最新のレーザー治療や免疫力を高める方法も

治療法としては、まず抗ヒスタミン剤を服用すること。市販されている薬もあります。これらの薬は鼻水や鼻づまりなどの症状を和らげてくれます。
 
次の方法としては、破れた粘膜を治す治療です。わずかな量のステロイド剤を鼻にスプレー、あるいは注射して、破れた粘膜を治療します。さらにアレルギーの原因を突き止め、原因物質の抗原エキスを注射することにより、免疫力を高める方法もあります。これを減感作療法といいます。
 
ロサンゼルスには、一般的な原因物質が60~70種あります。それらについて1つ1つ、アレルギーの有無、程度を検査していきます。検査時間は2、3時間。原因が特定できたら、対象物質の抗原エキスを毎週注射します。春だけ花粉症になる人なら、2~3週間前から注射しておくと良いでしょう。
 
この治療法の難点は、毎週注射のために専門医まで通院しなければならないこと。しかし、専門医にアンプルをもらって、近所の家庭医で注射してもらうということも可能です。
 
また鼻の中の肥厚した粘膜(下鼻甲介)にレーザーを当てることにより、気道を広く、同時に下鼻甲介粘膜のアレルギー反応を起こしにくくさせる方法もあります。これはレーザーを使用するので、出血や痛みも少なく入院の必要もありません。

Los Angeles Nose & Sinus Center
アンドリュー・チョイ医師

カレッジ・オブ・メディスン・バージニア・コモンウェルス大学卒。84年より耳鼻咽喉科の専門医に。1990年LA Nose and Sinus Center開業。鼻および鼻腔のスペシャリスト。

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