筋繊維の一部が切れ多くが内出血を伴う
スポーツを急に始めて、運動不足や水分不足で硬くなっている筋肉に、急激な力が加わった場合、筋繊維の一部が切れ、肉離れを起こしてしまいます。
肉離れを1番起こしやすい場所は太ももで、損傷部によって前面、後面、内側とに分けられます。前面の肉離れは、ボールをキックした時などに起き、太ももの前をピリッと痛みが走り、それ以後は走れなくなり、ひざを曲げるのも痛くなります。この時の損傷は、ほとんどの場合、大腿直筋というひざを伸ばす主動筋に起きています。
後面の肉離れ(ハムストリング筋の損傷)は、ダッシュをしたり、思い切り踏み込んだ時などに起き、臀部からひざの裏へ痛みが走ります。内側の肉離れは、野球の打撃の時などに痛めることが多く、太ももの内側を瞬時に強く引っ張るために起こります。
どの部位の肉離れも、激しい痛みを伴い、多くは内出血も見られます。治療法としては、まず安静にして傷めた部位を氷で冷やし、軽く包帯を巻いて圧迫して、太ももを心臓より高い位置にします。
内出血している可能性がありますので、最初はマッサージをしてはいけませんが、氷で15分ほど冷やしている間に、ほんの少し筋肉が伸びたかな、と思う程度のストレッチをするのは問題ありません。急性の痛みがとれたら、軽くマッサージとストレッチを始め、徐々に筋力トレーニングを行ないます。痛みがひどい場合はスポーツ障害専門のドクターに診てもらうのが良いでしょう。
ピラテスや前屈運動。お尻歩きで筋力強化
肉離れは筋肉が硬直していることによって起こるので、前屈運動やピラテスなどで、固まった筋肉の弾性を整えておきましょう。
太ももの後ろやふくらはぎの筋力強化には、「お尻歩き」が効果的です。床に座って両足を前に伸ばし、90度の姿勢をとります。両腕を胸の前で組み、両ひざ、両太ももを床に着けたままの状態で、ひざを曲げずに足をまっすぐに伸ばしたまま、お尻だけを動かして前に進んで行きます。最初は20歩から30歩程度、慣れてきたら4、5分続けると良いでしょう。
Dr. ロバート・ジョー D.C.
UCLA卒。スポーツカイロプラクティック認定士。