痛風(Gout)

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昔は「ぜいたく病」だが遺伝的な要素も

その名の通り「風が当たっただけで痛い」というほど激しい痛みを伴う痛風。主に肘や膝、足首などの関節に痛みを感じます。最も多いのが足の親指の付け根にある関節に激痛が走るケースで、通常歩けないほどの痛みを感じ、腫れて熱を持つ場合もあります。
 
痛風は「尿酸」という物質が増えるのが原因ですが、ビールやワインなどの酒類、あるいは肉やエビ、カニなどに尿酸値を高める作用があり、昔は美食を尽くした富裕層に患者が多かったため「ぜいたく病」と呼ばれていました。
 
ですが現在では、食生活だけでなく遺伝的な要素や、血圧を抑える利尿剤の服用、ガンの治療でも尿酸値が上がることがわかっています。また、尿酸が増えると腎臓にも負担がかかり、尿酸でできた結石が腎臓にたまって腎臓障害を起こすこともあります。遺伝的な要素もありますので、家族に痛風になった人がいる場合は特にアルコールを控え、食生活に気をつけましょう。

尿酸値検査は自主的に行う

痛風は、痛みがないと自分では発症していてもわからないので、健康診断が重要です。アメリカの検診には通常、尿酸値検査は含まれていないので、自主的に検査を申し出ることが必要です。ただ検査では、痛みのある時でも尿酸値は通常レベルで出ることがあり、必ずしも尿酸値が高く出るとは限りません。
 
レントゲン検査で結石が見えることもありますが、1番確実なのは痛みのある部分に注射器を挿入し、液体を採取して顕微鏡で調べる方法です。痛風になっていると、液体に結石が見えます。また尿酸ではないものが結石になる、痛風ではないのに痛風に似た病気もありますので、きちんと医師の診断を受けることが大切です。
 
治療方法は、尿酸値を下げる薬を服用し、腫れがある時は消炎剤で抑えます。痛みが激しく医者に行くまで我慢できない時は、「Advil」や「Aleve」などの鎮痛剤を服用することをおすすめしますが、その際は何か食べてから飲むようにしましょう。また患部を冷やすと、少しは痛みが治まります。

田中俊行医師
UCLA卒。UCサンディエゴ医学部卒。ハーバード大医局。元UCLA助教授。

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